KDDIの新料金「最大4割値下げ」に透ける思惑 「家族3人以上」で値下げ幅が最大の理由とは

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他方、例えば1人でKDDIの新たなピタットプランに加入し、月間使用量が1GB未満の場合の値下げはゼロだ。このようにプランや使用量によっては安くならない場合もある。KDDIもドコモと同様に家族割引は手厚いが、この割引条件なしなら大きなメリットや魅力を感じられないプラン設計となった。

KDDIがこの日発表した2020年3月期の業績予想は、売上高が5兆2000億円(前期比2.4%増)、営業利益が1兆0200億円(同0.6%増)だった。値下げで大幅な減収減益を見込むドコモと比べ、KDDIの新プランは現行プランとの比較の値下げ幅はそこまで大きくないためとみられる。

KDDIは、2019年6月~2022年3月までの間の新プランによる減収額について約1000億円としており、髙橋社長は「今期だけでいえば、さほど影響はない」と述べた。

「囲い込み」を強めたいKDDIとドコモ

新プランである家族割引を導入した理由について、KDDIの東海林崇・取締役執行役員専務は13日の発表会で「シニア層もスマホ化が進んでおり、そのサポートをさせていただきたい。家族割プラスの導入によって、家族で3台以上ご利用いただく方が増えると想定している」と語った。

4月15日に新料金プランを発表したNTTドコモの吉澤和弘社長(撮影:今井康一)

ただ、ドコモの場合もそうだが、スマートフォンの利用層の広がりに対応するだけなら「家族3人以上」などの条件付きにする必要はない。条件なしで全体の料金のベース自体を下げれば、家族での利用者も一人の利用者も、みんなが値下げを享受できるからだ。

「家族で利用しやすくした」というKDDIやドコモの説明は“建前”であり、実際の狙いは「今のうちに囲い込みを強めておく」ということにあるのだろう。このタイミングで、ドコモやKDDIがこうした戦略を採る背景には、今後の事業環境の変化がある。

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