トヨタのSUV「5代目RAV4」乗ってわかった実力

持ち味の走行性能はどのように進化したのか

オンロードに続いて、今回は幸いにも特設のオフロードコースで試乗することができた。車輪が対角で浮いてしまうようなモーグル路面では、3タイプ用意された4WDシステムのうち、標準仕様の4WD(ダイナミックトルクコントロールAWD)とハイブリッドモデルのE-Four仕様で脱出性能の違いを確認した。

新型「RAV4」は走行性能においても、さまざまな進化がみられた(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

車輪が対角で浮いた状態で一旦停止して再発進しようとアクセルを踏み込むと、標準仕様では2~3秒間ほど浮いたタイヤが空転し、その後、空転しているタイヤにブレーキをかけて空転を停止させ、駆動力の回復とともに車体は動き出す。対してハイブリッドモデルはアクセルをジワッと踏み込んだ瞬間に後輪のモーター(54PS/12.3kgf・m)が反応し、ほとんど空転を意識することなく再発進ができた。

また、フラットなダート路面では先の2タイプに加えて、新開発の「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を加えた3タイプで比較。砂利道を40km/hで走行しつつ、きつめの左カーブに差しかかった段階でステアリングを切り込みつつアクセルを全開にして車両の挙動を確認するというメニューだ。ここでの目的は、駆動力が後輪へと伝わる際のタイミングや制御の違い、そして挙動の相違を確認することにある。

最初に標準仕様でテスト。アクセル全開から若干のタイムラグから後輪の駆動力を実感する。前輪と後輪の駆動力配分の制御が始まると挙動もそれに同調するように、車体をやや外にふくらませながら走る弱いアンダーステア傾向のままカーブを終了。

雪上でもしっかりとポテンシャルを発揮する(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

次にハイブリッドモデルのE-Four仕様。同じタイミングでアクセルを全開にすると、すぐさま後輪の駆動力が立ち上がり、後輪を軸にしたコーナリング特性によって車体をグッとカーブ内側に抑え込もうとする。ただ、アクセル操作に対して敏感で瞬時に立ち上がる電動モーターの駆動力と、車体自体がステアリング操作に応じて内側に切れ込もうとする車体前後の挙動に多少のズレが感じられ、また、駆動モーターが強力であるため後輪が横滑りするオーバーステア傾向になることも確認できた。

最後はダイナミックトルクベクタリングAWD。これは標準仕様とE-Four仕様の中間的な駆動力の立ち上がりで旋回イメージを抱きやすい。後輪左右間の駆動力はトルクベクタリング機構によって0:100~100:0にまで可変させることができるため、滑りやすい砂利道にもかかわらずアクセルを踏み込んでいる間はステアリングを切った方向へと車体が進もうとするので走りやすかった。これなら砂利道よりも滑りやすい雪道でも安心して走行できそうだ。

新型でも受け継がれた初代の持ち味

ちなみにこうしたトルクベクタリング機構は三菱「ランサー・エボリューション」の「AYC」に代表されるように、多くのモデルに搭載され市販化されている機構。トヨタがダイナミックトルクベクタリングAWDを「世界初」と称しているのは、後輪へ駆動力を伝達する仕組みに“前後ラチェットシフト式ドグクラッチで切断するディスコネクト機構を採用したところ”で、これはカタログなどにも明記されている。

さて、魅力満載のRAV4だが筆者のおすすめは、ダイナミックトルクベクタリングAWD を採用するAdventureとした。車両本体価格で比較してみるとガソリン(「X」)とハイブリッド(「HYBRID X」)の差額は4WD方式で61万5600円、FF方式で59万4000円。装備に若干の違いがありハイブリッドモデルのエアコンが上級であることを差し引いても、その差は小さくない。ウインタースポーツを趣味とする筆者がRAV4を手に入れる機会があれば、パワートレーンの差額を燃料代や有料道路代などに費やしたいなと考えてしまう。

いずれにしろ、初代が持っていた洗いざらしのジーンズ的なタフでカジュアルな感覚は、原点回帰として新型に受け継がれている。5月15日現在の約24,000台を販売。そのうち90%の方々が4WD方式を選んでいるという。

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