これを意思決定の理由にあげる学生は本当に多いのですが、ミスマッチを起こす懸念が高いのが、魅かれた人が、「採用担当者(人事)のみ」というケースです。実際に入社して、一緒に働くのは残念ながら採用担当者ではなく、配属された部署にいる人たちです。
また、企業の顔として対応する採用担当者は、いい学生を採用することをミッションとしています。そのため、基本的に学生に好かれやすい人が選ばれ、企業をよく魅せるスキルを身につけている人が多いのです。よって、実際に現場で働く人よりも、学生が魅かれやすいと考えたほうがいいでしょう。
「選考で出会った採用担当者のような人ばかりいると思って入社したら、まったく異なる人ばかりで、ギャップに耐えられず退職……」という話は、ごくまれな話ではありません。
どんな人と一緒に働くかは、とても重要な項目なので、採用担当者の人柄から判断するのはわかります。ただ、その人だけを見て、入社の意思決定をするのはどうでしょう。
どうせ「人」を見て判断するなら、採用担当者だけでなく、実際に現場で働く人たちがどんな人なのか、企業の最終的な意思決定をする社長がどんな人か、そこまで知っておいたほうが、ミスマッチの可能性は低くなると思います。
企業によっては、そこまで人を表に出さない企業もあると思います。そうした場合は、「人によるミスマッチはあって当然」くらいの覚悟で、意思決定したほうがよいと思います。
「教育制度の充実=成長できる環境」ではない
これもミスマッチを起こしやすい意思決定の1つです。その原因には、大きな勘違いがあるからだと考えています。それは、「教育制度の充実=成長できる環境がある・育ててくれる体制がある」と思っていることです。決してそうではないのです。
今の学生の就職キーワードに「成長」というワードがあることは、多くの企業が理解しています。よって、企業の中には、成長できる環境があるというのを学生に見せるため、見栄えのよい教育制度を作っているところがあります。
非常に多くの座学講義、スケジュールびっしりの入社初期研修プログラム、興味のある学びがいつでもできるカフェテリア研修や通信教育制度などなど、形を整えて、学生にアピールしている企業は山ほどあります。
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