「大企業=安定」と安易に考えることは、ミスマッチにつながる大きな要因の1つだと思います。今、企業が大きいかどうかより、その企業が今後成長するか、そしてその企業の成長と共に自分自身も成長できるかどうかを考えたほうが、「安定して長く働く」という目的には近づくかもしれません。
なお、企業の成長を考える際、足元の高業績、高成長性は、あくまでも現時点のものであって、皆さんが入社した5年後、10年後に同じような高業績で、高成長が続いているかはわかりません。5年後は逆に業績が低迷しているかもしれません。
企業の成長性を見極めることは、とても難しいことです。完全に見極められる方法があれば、そこに投資して儲ける投資家が山ほど出ているはずです。プロの投資家でも企業の成長性を見極めるのは難しく失敗しています。
とはいえ、自分が働く企業が成長しないといろいろな条件も悪くなるので、考えないよりは考えたほうがよいでしょう。未来を想像しながら企業の成長性は考え、その企業で働いている間、自分がどんな成長ができる可能性があるのかを見極めることも大切です。
企業に成長性があっても、その企業が持つ「価値観・風土」に自分自身が合わなければ、気持ちよく働くことはできないので、自分の成長は難しくなります。企業の事業内容だけでなく、価値観・風土も含めて、調べることをお勧めします。
「仕事内容への理解が低い」とミスマッチになりやすい
ミスマッチに陥りやすい4つのパターンを紹介してきました。実は、このようなミスマッチを引き起こす人に共通していることがあります。それは、実際に入社してから、自分が行う仕事内容への理解が低いということです。
企業が、何をやっているかは理解しているけど、具体的に、誰に、どんなことをして、どんな価値提供をするのかを、入社するまでに理解していないのです。人や教育制度、条件・福利厚生に対して不満に思う人は、自分が考えていた仕事内容と実際の仕事とのミスマッチが生じていることが本当に多いのです。
仕事内容が想像と違うと感じている中で、人や教育制度、条件・福利厚生も想像とは違うというギャップが重なり、早期退職する。ということをよく聞きますし、直接よく見てきました。
よく考えて就職活動している人は、世の中や社会に、自分が届けたいと思う価値が明確で、そこに自分がやりたい仕事や、自分が成長していきたい姿を想像して企業選びをしています。そのため、具体的な仕事内容をちゃんと理解し、仕事をする動機が明確です。
よって人、教育制度や条件・福利厚生に多少ギャップがあっても、それほど気にすることなく、仕事を通じて、その企業にどんどんハマっていきます。仕事によって得られる充実感や成長が、それ以外のギャップを埋めてしまうからだと思います。
仕事を通じて「どんな価値を自分が提供できるようになるか」は、今後の自分自身のキャリアを長く支えていきます。企業がずっと個人のキャリアを支えてくれる時代は終わりつつあります。自分自身で、より長く働ける人生を考えていかなければなりません。
そんな中、入社する企業を選択する際は、人や制度の実態をつかむことも大切ですが、まずは、自分がその企業で何をするのか。その仕事は、本当に興味を持って長く取り組めることなのか、親や友人などにどう言われようが、その仕事に誇りが持てそうなのか。それを、一度考えてみてはいかがでしょうか。
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