米中通商協議の妥結は意外に早いかもしれない

トランプ大統領の「直観」は、結構正しい

物別れに終わった米中の通商協議。このあとはどうなるのだろうか(写真:ロイター/アフロ)

天皇陛下の退位と即位に伴う10連休は、まことにのんびり過ごすことができた。ただしこの間に海外でイベントリスクが発生した場合、市場が閉まっている日本では対応ができないので、その点が気になっていた方は少なくなかったことだろう。

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

「結果オーライ」というか、この間の海外発のニュースのほとんどは「想定の範囲内」であった。

FOMC(米連邦公開市場委員会)は文字通り「ノーイベント」だったし(5月1日)、英国の地方選挙で2大政党が揃って負けたとか(5月2日)、あとはせいぜい北朝鮮が小規模な「飛翔体」を発射させた(5月4日)くらいである。市場関係者の多くは、心安らかに休みを満喫されたのではないだろうか。

なぜトランプ大統領は突然「ツイート」をしたのか?

ところが連休最終日、5月6日になって状況は一変する。発端はわずか2本のドナルド・トランプ大統領によるツイートであった。ケンタッキーダービーの判定に対する不服や、モラー報告書と民主党に対する苦情に交じって、突然「対中関税を引き上げる!」とのメッセージが飛び出した。たちまちアジアの株式市場は軒並み大崩れとなり、ニューヨーク市場もその日はダウ平均が一時470ドル安となった。

何が起きたのか。殿はご乱心なのか。それとも対中交渉を有利に進めるためのハッタリなのか。こういうときは、ちゃんと元ネタに当たる必要がある。以下は5月5日、09:08に発せられた@realDonaldTrump氏のツィートの拙訳だ。

「この10か月、中国は500億ドルのハイテク製品に対して25%、その他の製品2000億ドルへの10%の関税を払ってきた。そのおかげもあって、アメリカ経済は絶好調だ。その10%は金曜日から25%に上げられる…。

…その他、非課税の中国製品3250億ドル分に対しても、間もなく25%が課せられる。製品価格への関税の影響はアメリカにはほとんどなく、もっぱら中国にかかっている。中国との貿易交渉はまだ続いているが、やつらは再交渉を狙って時間がかかり過ぎる。ノー!」

次ページ短期間の間に、いったい何が起きたのか?
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