日本がベトナムとシンガポールに学ぶべきこと

2つの「米朝首脳会談の舞台」に行ってみた

米中新冷戦時代、日本がしたたかなシンガポールとベトナムから学ぶべき重要なことがある(ベトナムのハノイで、筆者撮影)

「セントーサ島のカペラホテルまで」と同行のS氏が告げたら、タクシーの運転手がクルマを発進させながら、余計なことを言い出した。

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

「よくあるんだよなあ。去年、米朝首脳会談が行われたら、急に有名になっちゃってさ。でも、あれって何の意味があったんだろうね。あそこでドナルド・トランプ大統領と金正恩委員長が握手して、それで朝鮮半島で非核化が進んだわけではない。(2月27-28日の)ハノイ会議は、決裂しちゃったし。わざわざこの国が税金を投入して、世界中から人が集まってきて、大騒ぎした意味って何だったのだろうね」

米朝首脳会談とは、いったい何だったのか?

シンガポール・セントーサ島のカペラホテル(筆者撮影)

案内役を買って出てくれたシンガポール在住のS氏 は、「余計なことを言うなあ」と渋い顔をしている。

ただし、聞かされている筆者としては、「いちいちごもっとも」としか言いようがない。

もっとも米朝首脳会談が行われたからこそ、筆者はそこへ行きたいと思ったし、このタクシーの運転手さんにも仕事が舞い降りたわけなので、それに文句を言うのはいわゆる「天にツバ」行為であろう。

「トランプ・金正恩会談」のプレート。やっぱり撮るしかない(筆者撮影)

セントーサ島とは、東京で言えばお台場みたいな場所である。ユニバーサルスタジオからカジノまで、いろんな遊び場所が揃っている。そしてカペラは、レジデンス施設もある高級ホテルだ。テレビで見覚えのある白い壁が美しい。S夫妻とともに、巨大ハンバーガーとタイガービールでランチしながら、しばしリゾート気分を満喫した。

2018年6月12日、トランプ大統領と金正恩委員長が握手した場所には、金色のプレートが埋め込まれていた。確かにあのときは歴史的瞬間だと思ったけれども、今から考えてみるとあれは何だったのか。確かに2017年当時のような、北朝鮮による核実験やミサイル発射は止まった。米朝両首脳は「相思相愛」の仲になった(ように見えた)。とはいえ、非核化の作業が緒についたわけではない。核開発はなおもつづけられているとの観測さえある。

次ページもうひとつの米朝首脳会談の舞台も訪問してみた
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