乱射事件が起きた学校を襲う「聖地巡礼」の恐怖 20年目の節目を迎えたコロンバインの今

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15日、パイスはマイアミからデンバーに飛び、コロンバイン高校からそう遠くないリトルトンの町にある店でポンプ連射式ショットガンと弾丸を購入した。

コロラド州では近年、銃購入の際の身元確認が厳格化された。だが購入前に待機時間を設けるルールは導入されていなかった。

フロリダ州サーフサイドに住むパイスの両親は15日に地元警察に娘の捜索願を出した。地元警察によれば、パイスがコロラドまで行ったことは両親からの情報をもとに突き止められたという。

容疑者女性の日記から見つかったのは

当局は16日、パイスが精神的に不安定なうえに武装しており「非常に危険」だとして警戒を呼びかけた。そして大規模な捜索が始まった。もともと20日を前に神経をとがらせていたデンバー周辺の学校は、校内への立ち入りを禁止するとともに警備を強化した。

「コロンバインへの脅迫には慣れているが」と学区の安全責任者のマクドナルドは言った。「今回は違う感じがした」。

ジェファーソン郡のジェフ・シュレーダー保安官は、パイスがデンバー周辺で友人などから支援を受けたことはなく、単にコロンバイン高校とそこで起きた恐ろしい事件に魅了されていただけだとの見方を示した。

当局はパイスとの関連でネット上の日記を調べている。捜査関係者によれば、日記には孤独と憂鬱、苦悩が書き連ねられており、ナイフや銃の写真が添えられていたという。昨年7月の投稿では、毎朝「喪失感と絶望感、怒り、いらだち」を感じながら目覚めるとつづられている。FBI(アメリカ連邦捜査局)は17日の時点で、この日記を書いたのがパイスかどうかについて明言は避けた。

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