大阪府貝塚市にある水間観音は由緒ある寺であるとともに、最近ではパワースポットや愛染堂が「恋人の聖地」として若い人たちにも受け入れられるよう趣向を凝らした取り組みで注目を集めている。
その最寄り駅が水間鉄道の終点水間観音駅。大正末期に水間駅として開業し、2009年にいまの名称に変わったのだが、至近距離にはなく、10分近くかかるというやや微妙な位置にある。
それは別にしても、水間鉄道は南海本線の貝塚駅に接続し、難波からはアクセスしやすい状況にある。ただし、近義の里駅と石才駅の間でJR阪和線と交差するにもかかわらず、駅がない。
阪和線の東貝塚駅にしても和泉橋本駅にしても、水間鉄道の駅とは離れていてとても乗り換えができる状況にはない。幅広く水間観音に集客したいところなのに、これは足かせとなっている。歴史的経緯があるようだが、そろそろ見直してもいいのにと思う。ただし、乗換駅を造ろうとする動きはないようで、残念な点である。
奈良にある「最寄り駅」
最後に奈良県内から3駅。
紅葉、シダレザクラ、ボタンなどで有名な当麻寺(當麻寺、たいまでら)の最寄り駅であるが、徒歩15分ほどかかり便利とは言えない。急行や特急は停車しないので準急や各駅停車を利用することになるのだが、古市駅で急行と各駅停車の乗り継ぎはできないダイヤで、大阪阿部野橋駅から向かうときは、実質30分に1本の準急に乗るしかなく、ちょっと残念な状況である。
明治22(1889)年に明治天皇によって創建された吉野神宮は、駅から坂道を歩いて20分もかかる。タクシーを利用するのが無難であろう。電車の本数は、1時間に4本、特急も停車するので、大阪阿部野橋駅から、乗り換えなし、1時間15分ほどの所要時間で到着できるのはありがたい。
大和路にあって、サクラ、コブシ、ボタン、シャクナゲ、ドウダンツツジなど花の寺として人気のある長谷寺。近鉄大阪線の長谷寺駅が最寄り駅だ。しかし、歩くと15~20分、決して近い距離ではない。
電車は、座席指定の特急は通過、急行あるいは区間準急を利用することになる。日中は1時間に4本程度の電車が発着し、大阪上本町駅から50分ほどで到着する。1つ手前の大和朝倉駅止まりの電車があり、長谷寺駅では本数が減るのが、ちょっと悔しい。
ほかにも寺社や史跡の名称を駅名とした「残念な最寄り駅」がいくつかあるけれど、本殿や本堂までの長い道のりをのんびり歩いてお参りするのも、寺社巡りの楽しみの1つではないだろうか。
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