「前に出ないと気が済まない」上司の危うい思考 イエスや老子から学ぶリーダーに必要な素質
「サーバント・リーダーシップ」の提唱者として知られる組織研究者のロバード・K・グリーンリーフ(1904~1990年)は、マサチューセッツ工科大学(MIT)やハーバードビジネススクールで教鞭を執った人物です。
彼が説いた「サーバント・リーダーシップと」は「奉仕の心」です。「従業員ファースト」で部下を優先し、リーダーが奉仕することで部下を成長させる。つまり、リーダーが前に出るのではなく、チームメンバーの背中を押すことで成果を上げるタイプのリーダーが、全米トップ大学で「求心力あるリーダー」として教えられているのです。
「顧客ファースト」が徹底される日本
日本は、「奉仕の心」が根付いているとされています。確かにサービス業の「顧客ファースト」は大変素晴らしいものがありますが、「あなたの会社では『従業員ファースト』が徹底されているか」と問われると、疑問が残る人も多いのではないでしょうか?
「serve(サーブ)」は奉仕を意味する英単語で、聖書でも重要な単語として扱われています。私自身、子供の頃にカトリックの教会で「イエス・キリストは人々に奉仕するために来た」と教わりました。
新約聖書にこんな話があります。「弟子の中で誰がいちばん偉いか」を争っている弟子たちの姿を見たイエスが、こう諭しました。
「あなた方の間で偉くなりたいと思う者は、皆に仕える者になりなさい。あなた方の間でいちばん上になりたいと思う者は、皆のしもべになりなさい」
最後の晩餐の前には、イエス自身が「皆に仕える者」であることを示すように、弟子たちの足を洗ったそうです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら