「前に出ないと気が済まない」上司の危うい思考 イエスや老子から学ぶリーダーに必要な素質
しかし、リーダーが1人で頑張って成果が出るのは、運がよくても短期間です。『昇格した途端「偉そう」に振る舞う上司の心理』の記事でも指摘したように、リーダーが主体的にチームを引っ張るのではなく、チームメンバーにある程度の裁量を与えたほうが、メンバーの満足度も業績も上がることを認識しましょう。
つまり、援護に回ることでこそ、上からも下からも評価されてリーダーとしての寿命が長くなるのです。
いくつかの組織論を分析したところによると、「『失敗してもいい仕事』に早いうちにチャレンジさせる」のは、非常に有効な任せ方のようです。スタンフォードでは、しばしば「Fail early, fail often」(早く失敗し、たくさん失敗しなさい)と学生に伝えます。早いうちにたくさん失敗して、その失敗から学んでほしいという精神の表れです。
小さな決定権を与える
ピクサーも、「部下にいかに早く、小さな失敗を経験させるか」を大切にしているといいます。大きな失敗をさせると部下は潰れてしまいますが、早い段階で小さな失敗をさせれば、それを糧に成長できるからです。
助け舟を出すときにも、あくまで「小さな助け舟」にとどめ、代わりにやってしまってはいけません。小さな決定権を与え、小さな失敗をさせる――これが大きな成長を促し、チームに成果をもたらすポイントです。
「忙しくて時間がない」というリーダーも、サーバント・リーダーシップと真逆のことをやってしまっている危険性があります。
これは、「マイクロマネジメント」というもので、部下の仕事の細かいところまでチェックして、何から何まで手を出そうとする管理手法です。部下の仕事を奪い、全部自分でやろうとしているために時間がなくなります。
しかし、あまりに細かく部下の仕事ぶりをチェックすると、かえってモチベーションやパフォーマンスが下がることが、研究によって判明しています。
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