「ゆで太郎」郊外店の成長支える意外なファン 2018年のグループ店舗数は国内トップに

拡大
縮小

「ほっかほっか亭で働いていた頃、外回りをしていて食べたくなるそば店が郊外になかったんですよ。ゆで太郎は立ち食いそばではなく、町のそば専門店と変わらないクオリティを持っていた。ゆで太郎を知ったときから、これをこのまま郊外に持っていけば、必ずうまくいくと思っていましたね」と池田社長は振り返る。

池田社長が設立したゆで太郎システムはまず都心で5店を始めると、設立から3年後に千葉県市原市に郊外店である、五井白金通り店をオープンさせた。念願だった初の郊外ロードサイド店だったが、これが見事に成功する。

時間帯によって客層が変化

「郊外に行くと、気軽に食べられる日常食というのが意外に少なくて、牛丼かコンビニエンスストアになっちゃうんです。そばは健康にもいいし毎日でも食べられるから、リピート率も高い。郊外のロードサイド店は数こそ多いんですが、そばに限ってみれば、実はライバルは少ないんです」

「ロードサイト店にそばのライバルは少ない」と話す池田社長(撮影:梅谷秀司)

飲食店が立ち並び、激しい競争があるのかと思いきや、実はゆで太郎にとってロードサイドは競合の少ない、ブルーオーシャンだったのである。

さらに、郊外店には競合が少ない以上のメリットもあったという。

「都心店でのお客さんはオフィスで働く人たちなんですが、働く時間が決まっているので、朝と昼の決まった時間に集中して混む。その点、ロードサイド店は早朝に開店すると、まず現場へ向かうブルーカラーのお客さまが来てくれて、その後にはホワイトカラーのお客さまが来る。

昼に混むのは変わりませんが、午前10時や午後2時のようなアイドルタイムにも朝食や昼食を食べ逃した人が来てくれるんです。盛りそばをさっと食べるぐらいなら、その後に響かないですからね。飲食店にとって、売り上げの波が少ないというのは理想的です」

次ページ池田社長にとって最も予想外だったのが…
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT