GW10連休の消費押し上げ効果を試算してみた 約半数の人は、10連休が「うれしくない」のだ

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2018年のGWは前半に3連休、2営業日を挟んで後半に4連休という組み合わせだった。総務省「家計調査」によると、2018年4~5月の平均消費支出(2人以上の世帯)は1日当たり平均6319円で、うち平日が6060円、土日祝日が6850円、GW期間中(4月28日~5月6日)は7052円となった。GW期間中は平均よりも消費支出が11.6%程度増えたものの、連休だからといって通常の土日祝日よりも急激に消費が増加するわけではないことが分かる。

この傾向は2017年のGWでも同様で、17年のGW期間中の消費の増加率は10.4%だった。注目すべきは暦上の連休期間(土日祝日)よりも、連休と連休の間の平日を含むGW期間中全体(飛石連休)の1日当たり消費支出の増加が大きいことである。

つまり、GW期間に消費を増やす傾向がある人は、連休と連休の間の平日にも休暇を取得するなどして消費を増やしている可能性が高い。したがって、2019年に暦の上で正式に連続休暇になったとしても、消費の押し上げ効果は限定される可能性がある。

連休の長期化で伸びる消費項目は限られる

例年のGW期間(前後の最初の土日祝日から最後の土日祝日までの日数で、平日も含む)は9.6日程度であり、10日間という2019年のGW期間は従来よりも長期の連休というわけではない。

むろん、これは個人消費全体の議論であり、個別の消費項目によっては濃淡がある。

例えば、1日当たりの「一般外食」や「宿泊料」、スポーツ観戦などが含まれる「教養娯楽サービス」の消費額は連休効果が大きいとみられ、連休が長いほど支出額は大きくなる。

一方で、同じく連休効果が期待できそうな「パック旅行費」は連休中にむしろ減少するという意外な傾向もみられた。もっともこれは、「パック旅行費」の支払いは事前の申し込み時に行われる可能性が高いからだろう。したがって、日次の統計では計上のタイミングにバラつきが出やすく、月次の消費額で「連休効果」を確認する必要がある。

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