「1日10時間勉強してもダメな子」の本質的理由 ひたすら「書いて覚える」の危険なワナ

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まさに小浜さんのお子さんは、「書くこと」を大量にやっているわけですが、覚える手段として主に「書く」を選択すると、おそらく1つの定期テストにかける試験勉強期間は1カ月は必要になるでしょう。そんな膨大な時間を使うことはもちろん普通はやりません。

実際、これまで筆者が指導してきた数千人の中学生で、実際に高得点を取ってくる子は、ほとんど書いて覚えてはいませんでした。

なぜか書いて覚えるという手段は、まるで正しい“文化”であるかのように浸透しています。書いていると勉強している気になるのかもしれませんが、効果は薄いのです。やるとして、どうしてもできない問題を、最終手段として書いて覚えるということくらいです。

では、「覚える」とはどのようなことをいうのでしょうか。それは次のことです。

覚えるとは「自分で繰り返しテストすること」。

自分でテストをする過程で、インプットしていく

例えば、問題集を繰り返し解くことや、暗記ペンで用語を塗って赤いシートで見えないようにして答えられるかチェックしたり、単語リストを作って答えられるかテストしていくことなどです。そうして、自分でテストをする過程で、インプットしていくのです。

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次のようなことを考えてみるとよくわかります。コンサートでも、コンテストでも、事前にリハーサルをしますね。定期試験でも同じです。本番である定期試験のリハーサルとして、自分で小さなテストを設定して実行するのです。自分でテストをして、できるかできないかを確認する過程で、覚えていくのです。

ここにおいて書く、読む、見るという作業はあくまで補助的な作業であって、中心的な作業ではないのです。

筆者が指導してきた中で高得点を取ってくる子は、繰り返し自分でテストをして覚える傾向がありました。定期試験以外に行われる日常の確認テストなども同様です。

書いて覚えるという「神話」「幻想」を早く捨て去らないと、やったことが成果につながりません。そのうち「やってもできない」と自分を責めたり、「学び」自体が嫌になり、放棄してしまう可能性もあります。

お子さんには、「書いて覚えるという手段にとらわれず、繰り返し自分でテストをして覚える」ということをぜひ教えてあげてほしいと思います。次の試験ではきっと結果が出るはずです。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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