一晩10万円ともいわれた「しゃぶしゃぶ」を、食べるなら食べる、そのあとで別の接待?を受けるなら受けるとすればいいものをと、主役がエリート中のエリートと呼ばれていた大蔵官僚たちだっただけに、しゃぶしゃぶの食べ方も知らないエリートたち?と、彼らは別の面からも揶揄される対象になりました。
曰く、彼らは猛勉強と試験の繰り返しの後の「勝ち組」。粋な遊び方を知っている人には到底たどり着けない、地位と権力を手にするまでに勉強だけをしてきた人たちなのだから、彼らだけを責めるのは酷。こういう人たちが遊びを覚えると、とどまるところを知らないのが常、という憤りより同情論。
曰く、そもそもの元凶は大学入試問題と、それに合わせた暗記式詰め込み教育だ。受験勉強以外にも広く学び経験を積み、豊かな人間性を育んだ人が輩出されにくい教育システムこそが問題、と、やはり彼らには同情的(皮肉はこもっていますが)。
以上は官民にかかわらず、エリートがエリートにふさわしくない稚拙な問題を起こすたびに指摘されてきた問題でした。伸びきったゴムでも重責を担えるシステムへの批判と、受験勉強以外の学びや豊かな情緒教育の重要性と共に。
このとき大蔵省関係者が「彼らには、倫理はないが能力はある」とウソぶいたのを覚えていますか? 政治・行政の官僚業務に、倫理が欠落すればどうなるのだろう? 病根は深い!
20世紀までの人類最大の発明は音楽
やはり昔ですが、「週間、金曜日」に筑紫さんから坂本龍一さんに宛てられた手紙が公開されたことがありました。世界的にとられたアンケート調査に「人類最大の発明は、何だと思うか」に答えるもの。
もちろん、ほとんどの人は「印刷機」と答えたそうですが、筑紫さんは「あえて、音楽」。「科学技術だけでは解決できないことが多い。世界中が共有している音楽と、それが果たしてきたシステムに、言語以上の力を感じている」と、書いておられます。「それがなかったときの人類の営みを想像して」。平和を希求する音楽が、しばしば発禁処分になるのが、音楽の持つ力の大きさを示す証拠とも。
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