相鉄「都心直通」2つの新型車両はここまで違う 同じ「ネイビーブルー」でもまったく別物
相鉄ではJRの一世代前の車両、E231系をベースとした10000系も活躍しており、JRのシステムとの親和性が高い。
一方、20000系は乗り入れ先の関係で新規要素が多いこともあり、システムも既存の要素にとらわれず、積極的に新技術を導入した。VVVFインバータ装置にはハイブリッドSiCモジュールを採用。主電動機も190kW出力の全密閉三相かご型誘導電動機を搭載している。車両情報統合システムも「TIMS」ではなく、日立製作所が開発した「Synaptra」を採用した。
システムが異なるだけではなく、加速性能面にも違いがある。ただしこれは乗り入れ先の性能に合わせたもので、相鉄線内では両形式とも起動加速度は3.0km/h/sで共通。乗り入れ先ではそれぞれ起動加速度を切り換えて12000系は2.5km/h/s、20000系は3.3km/h/sとなる。
ハンドル形状が違う運転台
運転台も12000系と20000系では異なる。12000系は11000系やE233系と同じ左手ワンハンドルマスコンとし、相鉄はもちろんJRの運転士も違和感なく運転ができるように配慮した。20000系は東急が採用しているT字形ワンハンドルマスコンで、両手で操作するため相鉄の運転士にとっては新しいタイプとなった。
なお、20000系は新しい要素が多いため、2022年度下期の東急直通運転開始の約5年前となる2017年に先行車1編成を製造した。一方、既存のシステムを多く採り入れた12000系はJR直通運転開始の約1年前となる2018年末に1編成目を製造している。
客室設備に関しては共通している部分が多く、全体をグレートーンで統一しバケットシートを配置しているほか、袖仕切りや荷棚などに大きなガラスを採用。また、時間帯によって色温度や照度を変化させるLED室内照明や、車内保温のための半自動ドアスイッチなども共通している。20000系で復活した相鉄伝統の車内鏡は、12000系でも踏襲した。
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