相鉄「都心直通」2つの新型車両はここまで違う

同じ「ネイビーブルー」でもまったく別物

一方、12000系はJRの規格に合わせており、車体幅は2950mm(最大幅2998mm)とかなりワイド。ただ、床面の幅は約2800mmのため車体下部の裾が絞られており、この結果車体断面形状も20000系と異なる。ちなみに相鉄の規格はJRとほぼ同じである。

先頭部の長さも異なる。12000系が乗り入れる区間を走るJRの通勤車両E233系の先頭車は、衝突時に乗務員と客室を守るためのクラッシャブル構造を採用したため、乗務員扉と隣接する乗降扉の位置が車体中央に寄っている。

12000系の乗務員扉と隣接する乗降扉は車体中央寄りにある。車体はステンレス製。ただし先頭部は普通鋼製だ(筆者撮影)
20000系は運転台寄りの乗降扉の位置が12000系と異なる。車体の素材は先頭部も含めてアルミ合金を採用している(筆者撮影)

12000系はE233系に合わせて乗務員扉を前端から1445mmの位置に配置。先頭部の長さは1325mmある。一方、20000系の乗務員扉および隣接する乗降扉の位置を東急の車両に合わせており、乗務員扉は先端から1050mmの位置にある。先頭部の長さも1100mm弱と短い。

車体の素材も12000系と20000系ではまったく異なる。12000系は総合車両製作所の軽量ステンレス車体「sustina」なのに対し、20000系は日立製作所のアルミダブルスキン構造車体「A-Train」を採用している。

先頭部の素材も違い、12000系は普通鋼製、20000系はアルミ製。ステンレス車体の12000系が先頭部を普通鋼としているのは、独特な前面形状を造形するには普通鋼のほうが加工しやすいからだ。

ただ、どちらも塗装されていることと、ステンレス車体の12000系でもレーザー溶接を用いて平滑な車体を実現しており、素材の違いを見分けるのは難しい。

手堅いシステムの12000系

12000系と20000系はシステム面でも大きく異なる。相鉄はJR直通を想定した車両として2009年に11000系を導入している。この車両はJR東日本のE233系をベースとしており、先頭車の扉位置もE233系と同じで、JR直通時の会社間切り替え機能も有している。

12000系はこの11000系やE233系と同様、IGBT素子使用のVVVFインバータ制御装置や、140kW出力の自己通風形三相かご型誘導電動機(モーター)を搭載。車両情報統合システムもこれらの車両と同じ「TIMS」を採用した。

JRは山手線に投入した新型車両E235系で、半導体素子にフルSiC(炭化ケイ素)を採用したVVVFインバータ制御装置や新しい車両情報統合システム「INTEROS」を採用しているが、あえて乗り入れ先のE233系と既存の11000系に仕様を揃えることで運用性の向上を図ったのが12000系の特徴でもある。

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