相鉄「都心直通」2つの新型車両はここまで違う 同じ「ネイビーブルー」でもまったく別物

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20000系の車内では天井中央のデジタルサイネージ表示器が目立つほか、扉の手すりなども異なる(筆者撮影)

共通点が多く感じる車内にも違いはある。いちばん目立つのは車内サイネージ。20000系は21.5インチの大型液晶表示器を扉上に1個と天井中央の枕木方向に配置しているのに対し、12000系は扉上に17インチワイドの液晶表示器を2個配置している。

12000系(左)の液晶表示器は扉上に2個配置。表示器の右上に防犯カメラを設置している。20000系(左)は天井中央のほか、扉上に液晶表示器を1個設置。出入り口部分の吊革の配置方法も12000系と異なる(筆者撮影)

ただし、画面のヘッダ部分のデザインを多言語同時表示とするなどの共通項はある。

20000系では優先席の一部に採用されたユニバーサルデザインシート(UDシート)が話題となった。UDシートは立座りの負担を減らす目的で座面の高さを520mmと高く、奥行きを372.4mmと浅くしたのが特徴。また、荷物を座席下に置くことを前提として荷棚を廃止した。

乗って違いを探してみよう

20000系のUDシートは少し高目で荷棚が設置されていない(筆者撮影)
12000系ではUDシートの高さが30mm低くなり、荷棚も復活した(筆者撮影)

UDシートは12000系も採用したが、20000系の実績を反映し、座面の高さを30mm低くするとともに荷棚を復活させた点が異なる。さらに12000系ではUDシートの一般席も設定。中間車全車両のUDシート優先席・UDシート一般席、フリースペースの位置を統一した。

また、12000系では客室内に防犯カメラが設置されてセキュリティーが強化されている。ただし防犯カメラやUDシートの改良は20000系量産車でも反映される可能性があるので、違いはなくなるかもしれない。

そのほか台車の軸箱支持方式や空調装置など、相違点だらけの12000系と20000系。マニアックな人ならインバータの磁励音が違うと指摘する人もいるだろう。12000系の営業運転開始は4月20日からなので、ぜひ20000系と乗り比べて、その違いを探し出してみてほしい。

松沼 猛 『鉄おも!』編集長

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まつぬま たける / Takeru Matsunuma

大阪府出身。明治大学文学部卒。株式会社三栄書房に20年間在籍し、編集者として世界各地を飛び回った。2008年12月から『鉄道のテクノロジー』編集長を務めた後、2013年5月に独立。現在は『鉄おも!』編集長のほか、『鉄道ジャーナル』『ニューモデルマガジンX』『カーグッズマガジン』、鉄道、自動車関連ムックなどに執筆。

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