日本の防衛装備が中国に後れを取る根本的背景 技術的問題はもちろん法規制もハードルだ

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技本が陸自用に開発したRWS。海自のFFM用はレーザー測距儀と自動追尾装置が外されている(筆者撮影)

自衛隊のさまざまな装備品の調査研究や設計、試作などを行っていた防衛省技術研究本部(技本)が、防衛装備庁(装備庁)へ2015年6月に吸収されてから約4年。装備開発・調達の強化、効率化を目指した再編だったが、成功しているとは言えない状況だ。

中国の装備開発にはるかに後れを取る日本

装備の開発調達は旧態依然で、まったく進歩しておらず、中国に遠く及ばない。いまだに多くの分野で日本は中国よりも技術的な優位を保っていると思っている読者が多いかもしれないが、実態は中国のほうが進んでいる分野が少なくない。また、急速にキャッチアップされている分野もいくつかある。中国が単なる後進国だったのはかつての話であり、今や飛躍的に開発力と実力をつけている。

例えば装備庁は対ドローンや迫撃砲弾用の地上配備型のレーザー砲を開発しようとしているが完全に周回遅れだ。これは2019年から87億円をかけて2023年度までに技術検証を終了させる予定だ。だがこの種のレーザー砲はすでにラインメタル社やMBDAなどがかなり先行しており、2014年ぐらいから実証プロトタイプを見本市などに展示し、実用レベルに達している。

レーザー砲だけ開発すればいいというものではない。迫撃砲やロケット弾の迎撃まで行うのであれば、イスラエルのラファエル社のアイアンドームや、ラインメタル社のスカイシールドなど、ミサイルや機関砲などの実体弾を使ったシステムがすでにある。これらと同様にレーダーなどの探知システム、追尾システムと火器を組み合わせたソフトウェアの開発やシミュレーターなども必要だ。そういうノウハウの蓄積、あるいは研究が求められる。

逆に言えば実体弾のシステムがあればミサイルや機関砲をレーザー砲に置き換えるだけでいい。ただ、システムの開発には膨大な金と時間がかかり、装備庁にそこまで開発する覚悟と構想があるようには見えない。

中国のポリー・ディフェンス社もすでに南アフリカの見本市、「AAD2016」でこの種のレーザー迎撃システムを商品として紹介している。出力は5~30kWで、出力5kW時の射程は200~800m、10kW時で200~2000m、30kW時で200~3000m。レーザーは目標の追尾にも利用できる。

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