摂食障害に悩む人の意外と知られてない真実

原因は十人十色、当事者に寄り添う気持ちを

「どうして過食しちゃったのか」「またやってしまったのか」「食べないと元気になれないよ」――。

これらは、摂食障害当事者にかけてはいけない言葉だと鈴木さんは指摘します。

金子浩子さんは、摂食障害の予防啓発の講演会やイベントで「摂食障害の友人や娘に対してどう接したらいいのか。自分は何ができるのか」という問いに対して、「当事者に寄り添ってほしい」と話します。

「摂食障害になった原因は十人十色。こう接したらすぐ良くなるという答えはないような気がしています。一人ひとり求めていることは違うので、まずは決めつけないでほしい。そして、心の問題だからこそ、その人を認めてほしいと思います。

摂食障害は病気であって、その人そのものではありません。摂食障害に悩む当事者が、『食べても太ってもやせても私は受け入れてもらえる』と思えるような信頼関係を築くことが大切ではないでしょうか」

回復までには長い年月がかかってしまう

そもそも摂食障害に「完治」はありえるのでしょうか。

鈴木裕也さんは「現時点で誰もが認め、納得している完治の定義はありません」と言います。

「強いて言うならば、身体的、精神的、社会的に、年齢相当の人間に成長し、社会人として年齢相当の活動が出来ているかどうかだと思います」

日本摂食障害協会理事で、政策研究大学院大学教授の鈴木眞理さんは次のように述べます。

「過食嘔吐を覚えると、アルコール依存症と同じで『今日はしない』一日を積み重ねていくような回復のかたちが多いです。月経が戻るか戻らないくらいのやせの状態や、週に1回、辛い時だけ限定で過食嘔吐をするという改善が多いですが、私は症状が本人の生活に大きな支障をきたしていない程度であれば回復と考えて良いと思います」

摂食障害の完治についての定義は明確ではありませんが、それぞれの回復のかたちがあります。

そして、回復のためには年単位の時間がかかるため、長期的に支えてくれる人が欠かせません。

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