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マニラで財布をすられたら余りにも大変だった 海外で盗難被害「自分は大丈夫」と思う人の盲点

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  • 村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター
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フィリピンの警察官は明るい人が多かった。突然歌いながらダンスを踊ったりするし、訪れてきた人とわいわいしゃべりながらパンをむしゃむしゃ食べていた。部屋に備え付けのテレビを見ながらゲラゲラ笑っている人もいた。ちなみにその時見ているテレビは、忠臣蔵をモチーフにしたハリウッド映画「47RONIN」だった。

長身の警察官が僕の肩をパンパンたたきながら話しかけてくる。

「カバンを後ろに持ってたって? ダメだよ! カバンは絶対に前! 前! 前!

ファスナーが開けられない場合は、ナイフでカバンを切って開けることもあるんだ。今度からは絶対に注意して! カバンは前!! オーケー?」

とかなり大きな声で注意された。でもその後は笑いながら握手を求めてきた。

フィリピンは「麻薬戦争」の真っただ中

警察官たちは人懐っこいし一見緊張感はなさそうだが、ドアが開いて人が入ってくるときにはスッと目が座る。そして反射的に右手を腰の拳銃に当てる。拳銃は、グロック17 、オーストリア製の実戦的な銃だ。日本の警察官の拳銃のように革のホルスターで全体をカバーしていない。スムーズに銃を取り出せるよう設計されたホルスターに入っている。そして腰の左側には予備の弾倉(マガジン)が2つ刺さっていた。

グロック17を腰に携帯する警察官(筆者撮影)

フィリピンはロドリゴ・ドゥテルテ大統領の号令の下、麻薬一掃をめざす“麻薬戦争”が起きている。使用者や密売人が最低でも5000人、説によっては2万人以上が殺されたと言われている。部屋の中で陽気に笑っている警察官も、麻薬戦争で戦っている人たちなのだ。そう思うと、彼らを見る目も少し変わった。

その日の事情聴取はいったん終わった。

後日、ポリスレポートを書いてもらうためにもう一度、警察署を訪れるよう言われた。

旅行の最終日、まずは警察に提出するレポートを代筆してくれる代行屋さんを訪れた。

公的な書類を作る場所なので、落ち着いたオフィスの中にあるかと思ったが全然違った。店のショーケースの中にはお惣菜がズラッと並んでいる。狭い店内にはたくさんのお客さんがいてしゃべりながらご飯を食べていた。

店の奥に、小さい部屋がありパソコンが1台置かれていた。パソコンはケースがなく中の配線が丸見えになっている。

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【代行屋のお姉さんに怒られる】

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