マニラで財布をすられたら余りにも大変だった 海外で盗難被害「自分は大丈夫」と思う人の盲点

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昔とある雑誌で仕事をしていたとき、編集者の1人が、

「ノートパソコンを海外でなくしたとウソをついて、保険を適用させて新しいのにした」

と自慢げに語っていたのを思い出した。

世の中には、そういうケチな悪党はたくさんいるのだろう。そういう悪党のせいで、本当に被害にあった人が困ることになるのである。

監視カメラをチェック(筆者撮影)

本当に財布が盗まれたのかどうかを確認するため、現場の対面にあったコンビニエンスストアの防犯カメラをチェックすることになった。防犯カメラを管理する事務所に入り、僕と同行者の足取りをチェックする。

僕がスリの被害にあったと思われる場所の近くにあったセブンイレブンの防犯カメラには、僕と同行者が歩いている様子がバッチリ映っていた。

最初は普通に歩いていたのだが、僕の後ろにだけ人だかりができた。その中の数人は日傘を開いている。日傘のせいで防犯カメラから僕の姿は完全に隠れた。

警察官は、

「たぶん、この瞬間に盗まれたんだな! こいつらはスリ集団だな」

と言った。

同行者すら気づかない、腕利きのスリ集団

画像を見ると、僕の周りにだけ人が集まっているという、かなり異常な状態だ。皆さんも、その場面の写真を見たら、「いや、普通気づくでしょ? これだけ囲まれていたら」と思うだろう。

監視カメラに映ったスリ集団(筆者撮影)

しかし、僕はまったく気づかなかったし、僕のすぐ隣を歩いていた同行者もまったく気がつかなかった。

日傘で周りの目から隠れた後、ボディバッグのファスナーを開け、財布とポケットWi-Fiを盗んだのだろう。まるでマジックのようだと思った。一瞬腹立たしさを忘れて、思わず感心してしまった。

防犯カメラを見て、本当にスリの被害者だとわかり、警察官は態度を軟化させた。

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