フーターズ「日本での行き詰まり」が示す意味 運営会社が民事再生、複合的な要因を探る

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ただ、最後に残ったのは、監査役と1人の取締役を除けば、社長とその肉親だった。筆者が独自に入手した情報によるとエッチジェーは役員報酬もほとんどとっておらず、この数年は苦しい闘いを強いられていたようだ。現預金は大幅に減少し、それは建物や設備の投資に使われたが、結果は芳しくなかった。前述のとおり、店舗の不振が続き、そして、赤字が累積し、自主的な再生は難しいとして、今回の判断に至ったと思われる。

何か1つの致命的なものがあったというよりも、民事再生は複合的な理由による。

ところで、繰り返すと、日本では「フーターズ」がアメリカの営業権を獲得して拡大していった。だから、本国と直接的なつながりはない。ただ、ここであえてアメリカの様子から、後付けの理由を考えてみたい。

アメリカ本国でもフーターズは失速

まず、事実として、アメリカのフーターズ拠点数は2012年から2016年にかけて7%以上も減っており、さらに売上高も縮んでいる。これはフーターズ自体の店舗運営が特別に悪かったというよりも、女性を売り物にしているコンセプトが、なかなか社会にそぐわなくなってきた結果と思われる。

フーターズガールは、もちろん、男性のある種の理想を体現していたには違いない。しかし、そのフィクショナルな偶像は、もはやセクシャルハラスメント的な色合いも帯びる。特に若い世代には顕著になってきている。

かつてフーターズでは女性店員たちのマニュアルが暴露されたことがあったが、そこには大文字で「SMILE!!!」と記されていた。笑顔であることは、特にフーターズの店員だけの要求項目だけではないはずだが、そこには、男性客から何らかの言動があった場合にも許容すべきとする文化がにじみ出ていた。

フーターズは、これまでも何度かビジネスモデルや、主要な収入源を変更しようと試みてきた。その1つが航空会社だった。しかし、それもうまく行かず、3年後にはビジネスの終わりを迎えた。

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