フーターズ「日本での行き詰まり」が示す意味

運営会社が民事再生、複合的な要因を探る

ネット記事を検索すると、かつては、フーターズガールになったら高い時給を得て、学費を稼ぐには最高の手段だったと語った当事者の回想録も見つかる。自分の美しさゆえに、学位を取得する前の自分自身の資産を最大限に活用するためには最良の方法だったというような話だ。

アメリカでフーターズはそもそも1983年に設立された。そして、多くの模倣者も生んでできた。注目したいのは、フーターズがある種のカウンターとして誕生した点だ。1980年代といえば、フェミニズム運動が盛んになってきた時代だ。そのときレーガン大統領が共和党から出て、保守的な家族構成を賞賛したときだった。革新に対する、保守的なものの逆襲。フーターズと、その流れをあわせるのは、いささか気が引けるが、アメリカ的な伝統といえるものの、ある種の象徴だった。

そして、そこから30年以上が経って時代は変わった。今や世界的な「#Me Too運動」の影響も受けざるをえない。さらに、あのわかりやすい女性たちからの接待は、さほど、訴求性をもたなくなってきた。

世間の建前と矛盾する

もちろん、フーターズガールは勤勉だろうし、その魅力は私も認めるところではある。これまた繰り返すと、あくまでも日本は、フーターズの直営ではなく、エッチジェーによる営業権の取得による営業にすぎない。

しかし、私は、エッチジェーの民事再生とフーターズの不調に、ある種の傾向を感じずにはいられない。それは、つまり、女性をわかりやすく商品化することの終焉である。もちろん、これはキャバクラなどの商業施設が敗北を迎えることを意味しない。そうではなく、メジャーな形態で営むことが、世間の建前と矛盾するのではないか、ということだ。

人間は、そして男性は本質を変えてはいないが、大きな転換点を迎えている。日本におけるフーターズの行き詰まりは、それを示唆しているようだ。

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