日本サッカーの未来は暗いのか? サッカー解説者、セルジオ越後氏に聞く
女子サッカーにもだんだん冷めてきた
──ファンも高齢化しています。
いや、若い人もいるし、興行ですから女性ファンを増やせばいい。日本のメディアはスポーツを純粋に報道しないから。たとえば、ゴルフの石川遼は予選で落ちてもインタビューがある。格好いいし、CMもつく。要するにAKB48やジャニーズと一緒。スポーツしなくていい。
──日本代表の人気はありますが、Jリーグ人気はいま一つです。
だって、日本は海外ブランドに弱いもん。海外組はヴィトンのバッグやベンツみたいなもの。でも、彼らが帰ってくると報道も減る。海外にいる間は、ベンチ外でも報道する。Jリーグの試合で幹部は何をしているの? 渋谷駅前でJリーグのチェアマンの名前を聞いても、誰も知らないと思いますよ。それではプロスポーツとして成り立つわけがない。
──20年の東京五輪に何を期待しますか。
五輪が決まっても、経済効果が何兆円だ、という話の大好きな人たちが集まってくるだけ。選手がいくらもらっているのかなんて考えてないでしょ。(インフラの)建設とかホテルをどうするとかいう話はあっても、肝心の選手は貧しい。たぶん、ソチ五輪に行く選手でも強化予算をもらっていない人が多い。五輪も、国立競技場の予算を減らすのかどうかというところばかりを議論していて、現場の選手らの環境には目が向いていない。(変化を)期待しているけど、(スポーツ界を)仕切っている人たちが元首相とか、代わり映えしないから、ちょっとね。
女子サッカーも、なでしこが優勝したら、国民栄誉賞と大騒ぎ。でも、なでしこが負け出したら放っておかれるよ。もう女子サッカーにだんだん冷めてきたでしょ。やっている選手たちは、裏切られた、という気持ちになる。女子は男子サッカーより強くなったなんて、とんでもない報道もある。イスラム教が多い地域では、女性は肌を見せる種目はできない。国際的なスポーツの層の厚さ、厳しさが男子と女子では全然違うんですよ。
要するにスポーツ文化がない、この国には。儲かったらいい、儲からなかったらポイ。継続性がないから強くならない。日本は世界より優れたところがいっぱいあると思うけど、使い切れていない。怖いから競争もさせない。もったいないです。
(2013年12月28日-2014年1月4日新春合併特大号)
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