10代読書女子が「無気力・溺愛男子」を好む理由

好まれる男子像は一変、性描写も控えめに

「以前、新潮社のジュニア向けファッション誌『nicola』のモデルさんに、『野いちご』ユーザーと同世代ということでゲスト審査員をお願いしたんですが、彼女がある作品の作中で主人公がお母さんとケンカして『ババア』と呼ぶシーンに拒否感を抱いて、年長世代である弊社編集部員と価値観のギャップを感じたことがありました。今の30代、40代が思春期だった頃と比べると、今の子たちは親と仲がよくて反抗的ではなく、明るくていい子が多い印象があります」(第1編集グループ 野いちご書籍編集長・長井泉氏)

性的関心・行動や反抗心の減退といった、いわば「若年層のクリーン化」に伴って性描写はソフト化し、それと並行して暴力描写も減り、好まれる男性像もかつてのオラオラな「俺様」キャラから変わってきている。

「ここ3、4年は、クールまたは無気力系で、ガツガツしてなさそうに見えるんだけれどもヒロインに対しては一途で優しいというギャップがある男子に溺愛される、という感じが人気です。昔のように強引だったり、突き放すタイプではないですね。実際の男の子の変化に合わせて変わってきているのかな、と。ほかのサイトやジャンルと比較したわけではないのですが、少なくとも『野いちご』の読者は、女の子が大事に扱われていないものは受け付けていないんだと思います」(長井氏)

ハッピーエンドの「溺愛」ものが人気に

切ない読後感を重んじ、病気などで男女どちらかが死別するような展開をするタイプの作品群もあるものの、明るい学園恋愛ものに関してはいわゆるヒーロー、ヒロインだけではなく、女の子を奪い合う「当て馬」的な男の子がいる場合でも、その男子も悪くは描かれずに、みんながハッピーに終わるものが多い。

同じくスターツ出版が運営する大人の女性向け小説サイト『ベリーズカフェ』では当て馬的な存在は最後まで悪役なことも多いが、「『野いちご』は平和な世界観なんです」(長井氏)。

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