世界的な不動産バブルの崩壊はいつ来るのか 暗躍してきた中国マネーの動向がカギを握る

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ニューヨークの住宅価格は、平均値で見ると高止まりしているように見える。ところが、高額物件の影響が少ない中央値(新築戸建て)で見てみると、昨年後半から前年比で10%以上下落していることがわかる。ブレの大きい数値ではあるものの、たとえば、ニューヨークのアッパーイーストサイドに立つ豪華マンションは、一時期約125億円だった値札を97億円まで、28億円も引き下げた。それでもまだ買い手は見つからない。

カナダや豪州も税による規制強化で下落へ

カナダのバンクーバーも住宅市場の鈍化が顕著になってきている。中国系住民が4分の1を占めていたバンクーバーでは、外国人不動産購入税や空室税の導入で、不動産の売買が一気に冷え込んでいる。今年2月までの住宅販売件数は、前年同期比で約33%減少し、1985年以降で最低となった。

一時先進国中最高の上昇率を誇った豪州やニュージーランドの住宅も同様だ。2017年前半ごろは、年率10%以上のペースで上昇し、あまりの急騰に抗議するべく、シドニーの豪州中央銀行本店の前にホームレスのテントが列をなしたこともあった(筆者コラム「パリバショック10年、世界の債務は史上最高」をご参照)。これを受け、シドニーでは、外国人による不動産取得に関する税率を引き上げ、保有物件を一定期間空き家にした場合に追加の税金を課すことを決定した。その後シドニーの住宅市場は沈静化し、昨年半ば、ついに下落に転じた。

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