世界的な不動産バブルの崩壊はいつ来るのか 暗躍してきた中国マネーの動向がカギを握る

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これらの地域の共通項は、中国マネーの流入の鈍化だ。カナダや豪州は税制で中国を締め出した。米国の場合、米中貿易摩擦の影響で中国からの直接投資が激減している。ピークの2016年には、中国から米国への直接投資は456億ドルに上ったが、2018年にはその10分の1近くの48億ドルまで縮小した。さらに、追い打ちをかけるように、現在ニューヨークでは5.5億円以上のセカンドハウスに対する特別な 固定資産税の導入が検討されている。中国の投資家は泣きっ面に蜂だ。

では、米中関係が改善されれば中国マネーは戻ってくるのか。実はさらにもう一つ不安な要素がある。中国国内の住宅価格である。

中国国内の不動産投資は今年も滑り出しは順調に見える。中国国家統計局が前日発表した1~2月の同国の不動産投資は、前年同期比11.6%増と前年通期の9.5%から加速した。しかし、一線都市(政治・経済的に重要な地位にある大都市)などの都市部では、価格が高くなりすぎた。過去9年で不動産価格は3倍に上昇し、「北京の家を1つ売れば、東京でビルが1棟買える」とまで言われている。

国内物件のだぶつきと規制強化が背景に

物件のだぶつきも気になる。中国全土の空室率は22%と日本の倍近くまで上昇している。空き家の戸数は中国全土で5000万戸といわれる。日本の全世帯が入居できるほどの数だ。リーマンショック以降の中国では、個人の住宅ローンが10倍に膨張し、消費者は「住宅ローンの奴隷」と呼ばれるような状態になっている。一部ではこうした空き家にも100兆円を超える融資が付けられているという推測があり、ローン期限が近づくと投げ売りされかねないという懸念がある。

買い手の減少と物件のだぶつきという需給の緩みが、足元の住宅価格を不安定にしている。

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