養老や和銅、宝永…「元号」の付いた駅10選 由来を調べると飛鳥時代にさかのぼる駅名も

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8)安和駅(JR土讃線、高知県)

<安和(平安時代)=西暦968~970年>

JR土讃線の安和駅。海に面した魅力的な駅だ(写真:チビグレイ/PIXTA)

元号は「あんな」だが、駅名は「あわ」。高知県須崎市にあるホームから太平洋の見える駅で、付近は安和海岸として知られている。

特急列車が停車する須崎駅の2つ窪川寄りの駅で、普通列車しか停まらない。不便な駅ではあるけれど、訪れてみたい魅力的な駅のひとつだ。

9)長和駅(JR室蘭本線、北海道)

<長和(平安時代)=西暦1013~1017年>

元号は「ちょうわ」だが、駅名は「ながわ」。1959年に長和に改名されるまでは、長流(おさる)と言った。「お猿」に通じるところから好まれず、平和の和をもらって長和となったようだ。したがって、元号とはまったく関係がない。

平和に通じる「和」

10)天和駅(JR赤穂線、兵庫県)

<天和(江戸時代)=西暦1681~1684年>

最後に挙げた3つの元号は、いずれも「和」が付く。昭和と同じく、「和」は平和に通じるから元号の文字としては好まれるようだ。

天和駅の天和は、地元の真木村と烏撫村が合併して新しい村となったとき、真と烏を合体した鷆に平和の和を足して鷆和(てんわ)とした。しかし、鷆の字が難しいため、音が同じ天の字を当てて天和としたのである。

以上のように、数多くある元号と同じ漢字を使った駅名はいくつもあるものの、本当の元号に由来するものは少ない。しかし、駅名の由来を調べてみると、興味深いエピソードがあり、それはそれで話として面白いと思う。

野田 隆 日本旅行作家協会理事

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のだ たかし / Takashi Noda

1952年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院修了(国際法)。都立高校に勤務のかたわら、ヨーロッパや日本の鉄道旅行を中心とした著作を発表、2010年に退職後は、フリーとして活動。日本旅行作家協会理事。おもな著書に『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている』『シニア鉄道旅のすすめ』(以上、平凡社新書)、『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)、『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』(光文社知恵の森文庫)、『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)などがある。

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