VW「ポロ」がゴルフと遜色ないと思わせる理由 最新のパワートレーンを搭載したポロが登場
それでも前型の5代目ポロまでは、ゴルフの新型が登場するたびにポロを上回る性能や品質を実感させ、やはりポロはゴルフの1つ格下と思わざるをえない一面があった。ところが、昨年フルモデルチェンジをした6代目のポロは、いよいよゴルフと遜色ないと思わせる水準にまで格を上げてきたのである。
もちろん、ゴルフも、次の8代目となれば現行以上の価値を伝える新型となって現れるかもしれない。だが一方で、ゴルフ7でさえもう大きすぎるといった違和感を覚えさせる側面を持ちだしたのである。次のゴルフが何を求めて進化してくるのか、そこがゴルフとポロの価値を意味づける分岐点となるだろう。
現行の6代目ポロは、3ナンバー化した最初のゴルフ4代目とほぼ同じ車体寸法となった。長年にわたりゴルフが形容されてきた「世界の小型車の規範」という大きさは、このあたりが限度であろう。
情報通信機能などは後れがち
遠目に見ると、ゴルフと見間違うような外観を持つポロは、いよいよゴルフに求めてきた消費者の心を奪ってしまうかもしれない。それほどポロの充実度は上がっている。さらには、ゴルフ7の発売から5年以上が経つこともあり、情報通信装備の面でポロが先を行く部分がある。現在販売されている車種で比較すると、ポロのほうが見るからに先進的である。
ゴルフ7は、PHEVやEVといった次世代車の要素を組み入れてきている。だが、情報通信の機能や表示法などコネクティビティの面では後れがちの印象が否めない。なおかつ、歴史の面では、ゴルフに対して後発となるメルセデス・ベンツの小型車Aクラスが、次世代の技術要素で急速に進化し、「ハイ、メルセデス」という呼びかけで、ナビゲーションの目的地設定や、エアコンディショナーの調整など、音声入力を使い車載機能の操作をできるようにしてきている。
音声入力や運転支援の装備は、わずか1年や半年という短い期間で次への展開や、新装備の熟成が決定づけられてしまう時代となった。
ポロが、ゴルフの基本的価値を満たす車種となったいま、ゴルフがVWを代表する車種であり続けるには、未来の姿を明確にする先進の小型車でなければならなくなってきている。それは単に電動化や走行性能など従来の機能の進化や充実だけでなく、人や社会との接点となるコネクティビティの充実にかかっていそうだ。
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