VW「ポロ」がゴルフと遜色ないと思わせる理由 最新のパワートレーンを搭載したポロが登場

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一方で、現行のゴルフになってから車体幅が約1.8メートルとなって、大きすぎるとの声が耳に届きはじめた。そうしたなかで、昨年、車格的に1つ下に位置付けられるポロがフルモデルチェンジしたのであった。

ポロは、ゴルフが誕生した翌1975年に生まれている。VWが、第2次世界大戦後の主力としてきたタイプ1(通称ビートル)の次を模索してゴルフを誕生させたと同時に、より廉価な車種としてポロを登場させた。ゴルフと比べると、見るからに安価な実用車といった外観で、つくりも安普請な印象を否めない。

それでも、長距離移動の鉄道以外に公共交通機関が日本ほど発達しておらず、日々の暮らしの足としてのクルマが不可欠な欧州では、より小排気量のエンジンで経済性が高く、軽くて軽快に走り回る小型車が求められ、そこにポロは当てはまった。

飛躍した3代目のポロ

その後の進化の中で、ポロは1994年の3代目で飛躍した。車体剛性が高められ、外観の造形にも上質さが加わり、それは内装の仕立てにも及び、単に廉価な実用車という以上の価値を備えるようになったのである。

実はその4年後の1998年に、ポロよりさらに車格が下に位置付けられるルポが誕生する。下支えをする車種が追加となることで、ポロはより上級な車格感を持つようになったのであった。

一方ゴルフは、1997年の4代目で5ンバー車枠を超える車体幅を持つようになった。初代以降、少しずつは大型化してきたゴルフではあったが、いよいよ大型化への路線が明らかになってきた。

そして3代目のポロは、この時点でほぼ初代ゴルフと同等の車体寸法になっていた。走行感覚の手応えや、内外装の質の向上などにより、当時のポロに試乗すると、初代ゴルフから愛用した人にとって気になる存在にポロが成長している気配を感じたのであった。

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