外国人の年金脱退一時金に注意 あなたにも出来る!社労士合格体験記(第76回)
改正入管法では、原則3カ月を超えて日本に合法的に滞在する外国人を中長期在留者と位置づけ、市区町村ではなく入国管理局で「在留カード(Residence Card)」が発行され、就労制限の有無などが明記されることになりました。
なお、「外交」「公用」の在留資格に対しては在留カードが交付されず、戦前から日本に在留する台湾・朝鮮半島出身者とその子孫である「特別永住者」に対しては特別永住者証明書が交付されています。
この結果、外国人に対しても原則、住民基本台帳制度が適用され、日本人と同じように住民票が作成されるようになりました。国際結婚の家族の場合、かつては住民票に日本国籍の者のみが記載されていましたが、現在では日本籍・外国籍を問わず、1枚の住民票に世帯全員が記載されます。
転出届けが年金脱退一時金の要件に
国民年金・厚生年金ともに外国人が被保険者資格を喪失し、日本を出国した場合に、日本に住所を有しなくなった日から2年以内に脱退一時金を請求することができるという制度があります。日本の年金制度は社会保障協定の適用を受けるなどの例外を除き、原則国籍を問わず強制加入することになっています。
しかし、滞在期間の短い外国人は年金の受給資格者期間を満たさないため保険料が掛け捨てになってしまします。それを補完するのがこの脱退一時金です。
この脱退一時金の受給要件として、居住していた市区町村に対して転出届を提出していることという要件が加わりました。外国人にも住民基本台帳法が適用されることになったからです。また、国民年金の場合は市区町村へ資格喪失届を提出する必要があります。
なお、脱退一時金は原則6カ月以上年金に加入した外国人が対象で、金額の上限は3年=36月です。もともと、滞在が短い外国人に対する制度のため、3年以上加入していても金額は増えません。
そして、脱退一時金を受け取ると、その該当期間(3年を超える期間も含む)は年金の加入期間でなかったことになります。たとえ社会保障協定で年金の通算制度があっても、期間を通算できなくなりますので注意してください。
次回は、母校教授宅でバーベキューです。
(撮影:風間仁一郎)
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