われわれは調査をするにあたって1つ仮説を立てていた。それは、メイク男子になる男性は韓流文化が好きな人に多いのではないかということだ。
というのも、韓流文化のうち代表的とも言える、BTSやEXOなどの韓流アイドルグループには、日本の男性アイドルのようなファンデーションなどのみのベースメイクメインでなく、アイラインを引いたりするなどの、比較的派手なメイクをする人が多い。男性でも韓流好きが増えてきている今、そのような韓流アイドルに憧れてメイクを始める男性が増えてきているのではと考えたからだ。
この仮説の下、実際の「メイク男子」たちにインタビューを試みた。なお今回の調査で会った彼らは、メイクをしており見た目は中性的であるものの、それ以外は普通の男子たちだった。
K-pop好きだからこそ惹かれてメイク男子は生まれた?
都内私立大学に通うAさんはもともとK-popが好きで、中でもいちばん好きな韓国アイドルの「PENTAGON」の元メンバー・イドンの外見や服装、アンニュイなアイメイクに惹かれてメイクをするようになったのだそう。
イドンは目元にあえてピンクやレッドなど赤みの強いアイシャドウを用いたり、ブルーやグレーの色素が薄いカラーコンタクトレンズを使うことで、持ち前の肌の白さを強調している。彼のように韓国アイドルのメイクは目元が特徴的で、彼自身韓国メイクをまねしていくうちに、自然と目元を意識したメイクをすることが多くなったのだとか。
韓国人のメイクを意識しているため化粧品も不定期で訪れる韓国でまとめ買いしたものか、3カ月に一度、新大久保で買ったものがほとんど。具体的には「VT」のクッションファンデーション、「innisfree」のメイクアップベース、「エチュードハウス」のアイライナーなどだ。
メイクを始めた当初はYouTubeで”こんどうようぢ”や”とまん”、”よきき”のメイクを動画を参考に、慣れてくるとjosephという韓国のYouTuberのチャンネルも見るようになった。
彼自身、自分で好きなようにメイクをするのは自分に自信を持たせるための道具であり、メイクをしていることが他人にばれる恐怖感はまったく感じないという。
また、メイク以外でスキンケアにも抜かりがない。化粧水と保湿クリームはハトムギ、豆乳イソフラボンの乳液、パナソニック・スチーマーナノケアと、とくに理由はないのだが日本のものをそろえて愛用しているとのこと。
Aさんはグループで音楽活動を行ったり、アパレルでアルバイトをしているそうで「自分が納得できることをやりたい」という意識が強い。メイクを突っ込まれてバイトをやめたこともあるようだが、まったく気にしなかったという経験からそのマインドが見て取れる。メイクは男ウケでも女ウケでもなく完全に自分ウケであり、自分の好きなことをやっているという意識が強そうだ。
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