若い日本男子が化粧する「メイク男子現象」の謎 メイクは「自分をよく見せる」最高のツール?

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ここまで、普段からメイクをしている男子にインタビューを行ってきた。そこから感じたのは、まずメイクへの抵抗感はその人が生活している環境に大きく影響を受けているということだ。

韓国のアイドルが好きな人や、アパレルで働いていて普段から感度の高い環境で生活している男子は、メイクへの抵抗感が非常に少ないようだった。また、BさんやCさんのように女友達が多い場合、そのこともメイクへの関心を高めることにつながっていると感じた。

タイプ別に「メイク男子」を考察してみる

そして、メイク男子といってもさまざまなタイプが存在し、それぞれに少しずつ違いがあった。

1つ目は、「メイク濃い派」と「薄い派」である。メイク濃い派は、今回でいうAさんとCさんにあたる。彼らは、例えばK-POPアイドルの〇〇、というようにあこがれの対象を明確に持っている。メイクの情報については、韓流アイドルの写真を見て研究したり、”こんどうようぢ”や”車谷セナ”といったYouTuberの動画を参考にしたりと、自分から積極的に調べることが多い。また、使っているコスメも、韓国コスメからデパートコスメ、安価なプチプラコスメまで多岐にわたり、ブランドではなくYouTuberが使っているなど話題性のあるものが多いように感じた。

対して、メイク薄い派に当たるBさんは、自分をよく見せたいというところからメイクを初めており、お手本や憧れとなる人を持たない。メイクの情報も必要なときにネットで調べる程度で、自分から積極的に調べることはあまりないという。そのため、使っているコスメも、何かのついでに見つけたものが多く、あまりこだわらない。

また、メイク濃い派と薄い派は、メイクに対する捉え方にも違いがあった。メイク濃い派は、メイクを自己表現の一種と捉えており、自分をよく見せるのももちろんだが、自分自身の感性を表現するためのものと捉えているように感じた。しかし、メイク薄い派は、メイクを身だしなみの一環として捉えており、ワックスやヘアアイロンで髪型を整えたりする延長と捉えていた。

そして2つ目は、TPOによってメイク変える派と変えない派である。メイク変える派は、Bさん・Cさんに当たる。Bさんは誰に対して見せるかによってメイクを変え、Cさんは特別な日のみメイクをする。

このように見せたい自分を場によって変えるところは、女の子と似ていて興味深いと感じた。対して変えない派であるAさんは、学校でもバイトでもメイクをするが、いついかなる場でもあまりメイクは変えないという。見せたい自分が一貫しているからかもしれない。

このようにタイプは違えど、「メイク男子」に共通していることもある。それは、もともとの美意識の高さと、他人の目に左右されない生き方を重視するところだ。

美意識の高さはみな人一倍であった。容姿に気を遣い出したのも人より早く、例えば、Cさんは小さい頃に観た『ハウルの動く城』でハウルの美意識の高さに感銘を受けて以来、自分の容姿を意識し出したといい、メイク薄い派のBさんも小5のときからヘアワックスを使い始めたと言っていた。

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