最新版「就職に力を入れている大学」ランキング 高校教師が評価、量から質を重視する傾向に

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1位は9年連続で明治大学となった。2018年春の就職者数上位企業には、みずほフィナンシャルグループ(63人)や、三井住友海上火災保険(44人)など、金融大手企業が並ぶ。

トップ5大学の就職者数上位企業を見ても、2位の金沢工業大学は、三菱電機(7人)、JR東日本(6人)、JR西日本(6人)。3位の立命館大学は、京都中央信用金庫(37人)、パナソニック(35人)、滋賀銀行(33人)。4位の法政大学は、みずほフィナンシャルグループ(47人)、三井住友銀行(35人)、三菱UFJ銀行(30人)。5位の九州工業大学はホンダ(17人)、三菱電機(15人)、日立製作所(12人)などとなっている。

トップ5の顔ぶれと順位は昨年と同じ。もともとこれらの大学は大企業に強いと認知されているため、順位も高止まりになっている。ただ、ランキング順位の変化に注目すると、高校教諭の評価軸が量から質に転じていることがわかる。

前年からランキング順位を大きく上げた大学に注目すると、早稲田大学が13位から6位にジャンプアップ。立教大学も15位から11位に上がった。そして慶應義塾大学も19位から13位になっており、難関大学の順位アップが目立つ。そしてとくに伸びが大きかったのは、49位から23位になった関西学院大学だ。

先の人生を見据えたキャリア支援への評価高まる

これらの大学はもともと大企業の就職に強い大学だが、高校教諭の意識の変化により再認識され、就職に力を入れているという評価が高まったのではないか。

大企業に強い難関大学は、学生のポテンシャルが就職実績を押し上げているという見方もある。もちろん、その点も無視できないが、大学の支援体制にも注目したい。難関大学に共通する就職支援の特長は、目先の就職を実現する就職予備校的なものではなく、その先を見据えているということだ。

関西学院大学の場合、キャリア支援の柱の1つに「ライフデザイン・プログラム」を据えている。これは、人生観や職業観を養い、仕事を通した社会貢献の意識を学生に醸成するものだ。

立教大学も就職は人生のマイルストーンと位置づけ、その先を見据えた支援を行っている。もちろん、合同企業説明会の開催やエントリーシートの書き方、面接対策などテクニカルな支援を行っているが、先々を見据えた支援が、就職に力を入れていると評価されていると思われる。

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