先輩就活生がウンザリした「印象の悪い面接」 大人げない圧迫面接、コンプラ無視の質問も

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さまざまな言葉を使っているが、すべてが「よい面接をしていただきました」「ありがとうございました」と言っているのだ。企業の人事担当者や面接官が、目下の学生に対し、大人としての配慮をしているため、学生も強い好意を抱いている。

これはビジネスコミュニケーションの基本でもある。インタビューの名手として知られる阿川佐和子さんのベストセラーに『聞く力』がある。

「そう」「それで」という相槌が話を引き出すコツだそうだ。面接官のなかには自説を説きはじめる人がいるが、それではダメだ。そういう自己主張を捨てて、ひたすら聞き続けることが極意らしい。そして、相手の心に寄り添うことだ。多くの人事もこの「聞く力」を備えているようだ。

ただ、なかには傾聴力に欠ける人事もいる。「印象の悪かった面接」の回答者数は206人だ。そのなかから反感が目立つコメントを紹介しよう。

やはり印象が悪い「圧迫面接」

まず圧迫面接から。

「圧迫面接。なぜインターンシップに参加していないのに、選考を受けるのかという高圧的な質問」(理系・日本大学)

「圧迫。部屋に入ってすぐに他社の選考状況を聞き出された」(理系・天使大学)

「話の揚げ足ばかり取られたり言ったことに対して否定ばかりされたりした」(文系・早稲田大学)

「他社の選考状況を根掘り葉掘り聞き、おまけに他社を見下すような発言があったのは印象が非常に悪い」(理系・大阪薬科大学)

「高圧的、学生によって態度が違う」(理系・筑波大学)

圧迫面接の目的は、志望者のストレス耐性を測ることにある。気分よく話をさせるのと真逆の面接手法だ。追い詰めて気持ち悪くさせ、ひどい状況でどのように対処するかを見ようとしている。

ただし、ものには限度というものがある。学生の力量を知るという名目があるとはいえ、年下の学生をいたぶるのは大人気ないと思う。

圧迫面接をするなら、「あなたのストレス耐性を知りたいのでこれから圧迫面接に切り替えてもいいですか」くらいの告知があってもいいと思う。もちろん一人ひとりに事前に告知するのは面倒だが、面接にまで引き上げた学生なのだから、それくらいの手間をかけてもいいはずだ。

ただ、あなたが圧迫面接だと受け取ったとしても、意図したものではない場合も多いことを付け加えておきたい。そういう面接しかできない面接官もいるのだ。この見極めは難しい。

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