2位は高級特殊鋼から世界首位級のネオジム磁石まで高シェア品を展開する日立金属で21.0年。中途採用比率は60.3%(中途228人、新卒150人)となっている。同社も平均勤続年数は男性21.0年、女性21.4年と女性の方が長い。社員数は男性5654人、女性661人と男性優位だが、3歳までの育児休業制度や短時間勤務制度、フレックスタイム制度など女性にとって働きやすい環境が整備されている。
3位はアパレル向けの工業用ミシン世界1位のJUKIで20.4年。中途採用比率は54.8%(中途17人、新卒14人)だ。有期契約の専門社員を正社員へ登用するなど優秀な人材を積極的に採用している。全体の女性比率は22.0%と決して多くはないが、女性管理職比率は7.0%と高い数字となっている。希望者は65歳まで全員雇用。定年退職後の再雇用者がムリなく働けるようワークシェアリングを導入するなど長く活躍できる職場づくりを進めている。
以上が勤続年数20年を超えている会社だ。
上位にはBtoBのメーカーが多数ランクイン
4位は半導体製造装置大手のSCREENホールディングスの19.9年(中途採用比率50.4%)。ウエハ洗浄装置で世界断トツのシェアを有する高い技術力を誇る。平均年収は955.4万円、2017年度の有給休暇取得率74.5%と高レベルの待遇と働きやすさも両立している。
以下、5位ツムラ19.8年(中途採用比率57.1%、以下同)、6位マクセルホールディングス19.6年(68.1%)、7位ジャパンディスプレイ19.1年(52.5%)、8位デクセリアルズ19.0年(57.4%)と続く。上位には、法人を対象に製品を作るBtoB企業が多いのが特徴といえるだろう。
勤続年数の長い会社は、一般的に福利厚生などが充実して働きやすい職場が多い。そうした中で中途採用を増やしているのは中堅世代が薄くなっていることが理由の一つとして考えられる。
たとえば、1位髙島屋の世代別従業員(『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2019年版)を見ると50代1914人(比率39.9%、以下同)、40代1938人(40.4%)、30代612人(12.7%)、20代以下337人(7.0%)と40代以上が8割を占める。現在、同社を支えている50代、40代は、まだしばらく活躍してくれるだろうが、将来を考えると今の30代を中心に中途採用で厚くしておきたいと考えるのは自然だ。
こうした中年層以上が多い年齢構成が逆ピラミッドの会社は伝統的な優良企業によく見られる形だ。若い人にとっては多くいる先輩方からじっくりと仕事を学ぶことができ着実に成長できる職場の可能性が高い。
勤続年数は会社を知るための基本情報だ。さらに今回の中途採用情報を組み合わせていくと比較的若い世代を欲しがっている会社を見つけることができる。ほかにも多くのデータを『CSR企業総覧』などで確認し、より自分にあった職場を見つけていただきたい。
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