「夫の家事育児ゼロ」でも仲がいい夫婦のナゾ 留守がちでも「妻をラクにすること」はできる

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愛用の大きなサークル。取材に伺った日は、3姉妹はサークルの中にいたり外にいたりでしたが、中にいるときもこうしてテレビに合わせてダンスしてたり楽しそうでした。テレビの前の位置、というのもポイントかも(著者撮影)

「ワンオペ家事育児の時間がすごく長いのに夫婦仲良し」というのが私にとってはかなり謎だったのですが、話を聞いているうちにわかってきたのは、前回紹介した「夫の仕事ぶりを心から尊敬しているので応援している」という妻のスタンスに加え、「自分が家事育児をやれないのなら、そのやり方に口を出さないし文句も言わない」という夫のスタンスにもあるということが今回わかりました。

確かに、これってとても大事! 家事育児の担当時間が長いと、生活するうえでの自由時間はかなり少ないのですが、そのうえでやり方や使うものにまで自由がなかったら、精神的におかしくなってしまうから。

ちなみにこの夫婦、そのほかにも「帰宅時間や行く場所で相手を束縛しない」「挑戦したいと言っていることはお互いに全力で応援して否定しない」などのルールがあり、基本、相手の自由を尊重しているようです。

「いやいや、それは理想的でいいけどさ! 時短家電やサービスにかけるお金がまったくない場合は!? 結局、お金で解決かよ!」。もしかしたら、そんな声もあるかもしれません。そのとおりです。ワンオペのつかれを減らすいちばん手っ取り早い方法は、お金です。

なぜなら、ワンオペ家事育児というのは「お金に換算すればかなりの高額になるほどの量と内容の労働を無報酬で1人でやっている状態」のことだから。だからこそ、つらいのです。

だから、ワンオペが本当につらいけど、そのつかれを減らすためのお金がない、もしくは出したくないというなら、ワンオペという分担方法自体が家庭に合っていないのです。そうであれば、その状況を変えるために、家族と徹底的に話し合い、働き方や分担方法を変えるように交渉するしかないと私は思います。ただ文句を言っていても状況は変わりません。

もしかしたら、それは職を変えたり、会社との交渉が必要になる場合もあるかもしれません。でも、状況を本当に変えたければやるしかないのです。そして、それは人としての当然の権利です。

楽になるためのアイテムは積極的に使う

というわけで、今回の取材から学んだ「家族がつかれないためのヒント」は……

家事育児の負担が片方に偏っていてつかれる

せめて、家事育児についてのやり方はメイン担当側が裁量権を持つ
楽にするためのアイテムやサービスは積極的に導入する

とはいえ、双子含む3人育児は時短アイテムやサービスだけで回せるというものでもありません。実際には、妻のボンベイさんにはかなり追いつめられた時期もありました。

次回は、彼女がそのあたりをどう乗り越えたのか?ということと、彼女の思う「家事育児につかれないための考え方」について紹介したいと思います。

ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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