「銀行」という一言で説明しきれない奥深い存在 意外と知らない基本から蘊蓄100章で解説

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81. 1990年代、日本はATMの設置台数で世界一となったが、それでも給料日にはATMに利用者の長い行列ができた

82. 日本の各銀行は操作時間の短いATMを導入してスピードを競い合い、ほかにもさまざまな機能を搭載した

83. 紙片の折れ曲がりやシワを伸ばす機能や高齢者向けに操作スピードが変わるもの、抗菌ATM等も登場した

84. 2000年代に入ると銀行と郵便貯金のネットワークの相互接続が開始され、駅構内やコンビニにもATMを設置

85. 利便性が大幅にアップした一方、それまで無料だった土曜日のATM手数料を徴収するなどサービスは後退した

86. また利用明細等からカード情報を盗む犯罪が巧妙化し、銀行はデータを盗まれにくいICカードを導入する

87. 手のひら静脈などで識別する生体認証カードも登場するなか、2006年「預金者保護法」が施行された

88. キャッシュカードや暗証番号の管理を日常的にしっかり行えば犯罪被害の際に銀行から救済が受けられる

89. ATMは生活インフラとして不可欠な存在となったが、災害時には停電で使用できなくなるなど課題も残る

90. 1995年、営業店舗を持たない新しい金融機関としてアメリカで世界初のインターネット専業銀行が誕生した

91. 伝統的な銀行に比べ人件費等がかからない分、金利を高くして集客できることからたちまち世界に広がる

バブル経済崩壊後の救済措置「金融ビッグバン」

92. 日本ではバブル崩壊後の再生をかけ1996~2001年「金融ビッグバン」といわれる大規模な金融改革を行う

93. 商品やサービスの規制が取り払われ、銀行でも保険の販売が可能になるなど自由化による競争が始まる

94. 1998年頃には各銀行が競うように「インターネットバンキング」サービスをスタート

インターネットバンキングは進化し、現在ではスマートフォンひとつで支払いができるまでになった(写真:Graphs/PIXTA)

95. 2000年には日本初のインターネット専業銀行「ジャパンネット銀行」が生まれた

96. これは三井住友銀行の前身であるさくら銀行、富士通、日本生命、東京電力などが出資して設立したもの

97. その後、大手資本を背景にネット専業銀行が続々誕生し、通常の銀行取引のみならず多様なサービスを行う

98. 外貨預金やカードローンはもちろん馬券の購入までインターネットで可能なサービスを盛り込んでいる

99. コンビニ店内に専用ATMを設置し、その手数料を収益源とする「セブン銀行」など新スタイルの銀行も現れた

100. 三菱UFJ銀行やみずほ銀行では「電子マネー」の開発が進められており、銀行新時代の到来も近い

(文:寺田 薫/『モノ・マガジン』2019年3月2日号より転載)

参考文献・HP:『図説・銀行の歴史』(原書房)、『図解雑学 日本の金融』(ナツメ社)、『銀行ATMの歴史』(日本経済評論社)、日本銀行、八十二文化財団、野村ホールディングス、日本経済新聞社、マイナビほか関連HP
モノ・マガジン編集部

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