採用メッセージにマナーや礼儀の重要性を強調する企業があるが、すべての企業が採用にあたって礼儀正しいかというとそうではない。品性に欠ける企業もかなりある。
「知名度が高く一般に優良だと言われている企業で、その知名度ゆえか、不誠実な選考を行っている企業がたくさんあると気づかされた」(文系・神奈川大学)
「知名度が高い大企業であっても、いい会社とは限らないと感じるようになった」(文系・東北大学)
多分、学生には大企業、有名企業、優良企業はいい企業という思い込みがあるのだろう。しかし、規模や知名度と礼節を重んじるかは、比例しない。それどころか、学生に対して優越感を抱き、内心で見下している企業も存在するようだ。
「学歴しかみていないところはある」(理系・大阪府立大学)
「表向きは学生に対して紳士的に接しているように見せながら、選考を通じて、ほとんどの企業は実際には学生を見下していると感じた」(文系・上智大学)
本当の「優良企業」に気づく
大企業のなかには、学生の志望を傲慢な態度で萎えさせるところもあるようだが、そういう経験を通じて学生は自分が志望していた「人気企業」について学んでいく。そして、大企業とは異なる企業群を見落としていたことに気づくようだ。
「人気企業に就職することが果たして幸せなのか。知られてないけれど業界で世界的な地位を築いている企業が数多くあることを改めて知った」(文系・中央大学)
「名前は知られていないが、実は待遇面であったり製品のシェアであったりと、実は優良企業がたくさんあることを知った」(理系・京都大学)
有名企業の多くはBtoC(消費者向け)企業である。街で見かける車、毎日食べる食品、季節ごとに変える衣服などのなじみ深い製品を製造・販売している。しかし、実はBtoC企業の数は少ない。数が多いのは一般消費者向けの製品を作っていないBtoB(企業間取引)企業だ。
BtoB企業は目立たない。多くの学生は、就活する前にBtoB企業をほとんど知らない。しかし、コンタクトの回数が多くなるにつれ、BtoB企業の人間味に好感を抱く学生が増えていく。
「就活を経てさまざまな業界や企業について知ることができた。何気ない生活のワンシーンも誰かが支えていることに気づかされた」(文系・上智大学)
「知られざる中小企業が意外と安定している優良企業であることを知った」(理系・金沢工業大学)
「ブランド力、企業の名前で会社を判断しなくなった」(文系・武蔵野大学)
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