ネット通販王国・楽天市場の変調 セールス依存に限界 一強神話崩れるか?

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今の楽天にとって、定期的なセールは流通総額拡大に欠かせない戦術となっているが、出店者の間からは疲労感を訴える声も上がる。

楽天ここがおかしい 優良店舗も激白
「スーパーセールに50%引きの商品を3000万円分用意して」と言われてがっかり。最近はセールをやりすぎ。見掛け上の売上高を伸ばすため店子を苦しめている (衣料)
ヤフーの出店料がなくなる一方で、露出を増やすためには広告費が増えると覚悟している (雑貨)
広告出稿要請がきつい割に、費用対効果のフィードバックはない。担当者もころころ代わり、新卒だとか畑違いの業界担当が来たりとレベルが実に低い (スポーツ)
ポイントは出店者が自腹を切っているのに、失効しても店舗に戻ってこないのはおかしい (複数)
2000年以前から出店しているが、当時の仲間は1割程度しか残っていない印象。今4万店あるとして、延べ20万~30万店の出店があり、そのほとんどが退店していったのでは (衣料)
※ショップ・オブ・ザ・イヤーや楽天市場EXPO賞の受賞経験がある優良店舗を中心にした出店者への取材を基に本誌作成

「1日100億円をやってみたい」

別の出店者は、スーパーセールを始めるに当たって、幹部がこう言うのを聞いた。「やってみたら100億円まで行った。そうしたら、『100億円を何度もやりたい』と。(スーパーセールとは別に開催する)お買い物駅伝などを含めれば毎月セールをしている感じだ」。

衣料品を販売するこの出店者は、「円安で仕入れコストが上がっているのに、楽天の営業マンは値引きしろ、ポイント付けろ、の一点張り。さすがにしらけてきた」と言う。

出店者の持ち出しによるポイント付与は、1ポイントにつき1円分値引きをすることにほかならない。ポイント10倍なら1割引と同じ。これで販売数が急増するか、ユーザーが追加で商品を買ってくれなければ収支は厳しい。

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