声の衰えを甘く見る人が知らない健康の異変 どう鍛える? 時に重病が見つかることも
「例えば大動脈瘤である可能性があります。大動脈瘤になると“声筋”の運動をつかさどる反回神経を圧迫することがあるため、声が出なくなることがあります。甲状腺がん、肺がん、食道がん、など喉の周りのがんは、どれも反回神経に絡み付くので声がかすれる場合が多いですね」
たかが声と侮るなかれ。命に関わる病気が発見できる可能性もあるのだ。
声はコミュニケーションで使用するので、比較的異常に気が付きやすいというメリットがある。自分や親族の声に異常を感じたら、とりあえず耳鼻科に行くのがいいだろう。
いい声を保つ一番の方法は?
最後に“声筋”によくない習慣について伺った。
「脂っぽいファストフードに炭酸飲料、という組み合わせは喉にはよくないですね」
甘い物、脂、炭酸水を食すと、胃酸がたくさん出る。胃酸が過剰に出ることで逆流が起きると、喉が焼けてしまうのだ。
胃酸が逆流する逆流性食道炎は日本人の2~25%の人が診断される病気だ。特効薬もあるので、早めに病院に行った方がよい。
「お酒もよくないですね。いわゆる酒ヤケした声になります」
アルコールはタンパク質を固まらせる性質がある。ウォッカやロックの焼酎を飲むと、アルコールが“声筋”に直接かかり、カチカチになってしまう。長年かけて酒ヤケすると、酒をやめても元には戻らないという。
お酒は水などで割って飲んだほうが、喉にはいいようだ。
「あと、お酒のみはよくしゃべりますから、それでポリープができたりします。ホストやホステスをしている人は注意が必要ですね」
お酒よりさらに喉に悪いのが、タバコだという。
「タバコはがんを誘発する恐れがあります。喉頭がんになった人のかなりの数が喫煙者です。発がん物質であるタールは喉に蓄積されていきますから、直ちにやめた方がいいですね」
脂っこいものや甘いものを食べず、お酒を控え、タバコをやめる、のがツヤのある声を保つコツというわけだ。
つまりいい声を保つ一番の方法は、健康的な生活をするということなのだろう。
普段、あまり声のことを気にすることはないかもしれないが、これを機に一度
「あーーー」
と、チェックしてみてはいかがだろうか?
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