声の衰えを甘く見る人が知らない健康の異変 どう鍛える? 時に重病が見つかることも

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「毎日は面倒くさいなあ。まあ、声くらいフケてもいいか……」と思っている人も多いかもしれないが、実はフケ声を放置するのは、健康面でも問題があるという。

「“声筋”が弱ると、むせるようになるんです。食べ物が肺に入りやすくなるんですね」

“声筋”は生命維持に重要な器官

声を出す筋肉はそもそも、飲み込んだ食べ物が気管や肺に入らないよう跳ね返し、食べ物を食道に送る役割を負っている。

筋肉が衰えて緩んだり、隙間があいたりすると、食べ物を跳ね返すことができず、肺に入ってしまう。そこから肺炎になる人も少なくない。

「誤嚥性肺炎で亡くなる方は非常に多いです。常に、老人の死因の上位にあります」

またグッと力(りき)むのに必要なのも、“声筋”の力だという。“声筋”が弱くなると、瞬間的に力むことができなくなるので、転びやすくなったり、便秘になったりするという。

つまり“声筋”は、生命の維持に関係する重要な役割を果たしている器官なのだ。

「重要な器官なのですが、甘く見られがちです。皆さん、

『声がかすれたくらいで病院に行くのもなあ』

と思ってしまうんですね」

たしかに、声が原因で病院に行ったことはない。ガラガラ声でしばらく話せない時も、のどあめをなめるくらいしか対応しなかった。

「声がれして3週間~1カ月治らないのは、明らかにおかしいです。人間の体は3週間くらいで、組織が再生されます。治らない場合は

『組織が冒されている』

『何かができている』

『何かがなくなっている』

可能性があります。耳鼻科に行って、チェックを受けたほうがいいですね」

声の異常は、さらに大きい病気からくるサインの場合もあるという。

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