中国発「客単価10万円」アパレル起業家の奮闘

ヤングリッチ向けファッションを手掛ける男

彼は毎年イタリアで開催される世界最高級のファッション展示会PITTI UOMO(ピッティ ウォモ)に参加しているが、日本のセレクトショップバイヤーたちのファッションを見るのも1つの楽しみだそうだ。バイヤーたちは、セレクトショップの世界観ごとに統一感もファッション性もあり、イタリアでも注目されているという。

「GENTSPACE」が初めて百貨店へ進出したときも、そこの日本人社員が声をかけてくれたそうで、今でも恩義を感じていると話す。

さらにGaryが日本で、いちばん感心したのは、アパレルショップで働く店員だ。中国のアパレル店員は、稼ぎを非常に重視している。他店舗の給料が高ければ、または仕事が楽しくなければ、明日でもその店を辞める人もいるぐらいだ。

しかし日本のアパレル店員は、プロとして認められ、尊敬されているように感じるという。中高年層のベテラン店員も存在するし、彼ら自身がまたファッション性を追求するようにみえる。

仕事への好きという気持ちが伝わるのだ。服を丁寧に扱うこと、プロの接客とアドバイス、買わなくても笑顔で送ること、商品の入ったショップバッグを必ずお店の前まで持つこと……こういったところに感銘を受けた彼は、より高い水準で従業員をトレーニングしているという。

Garyの挑戦はまだはじまったばかり

Garyの将来の目標はなにか?

「まさにTOMORROWLANDのような会社になること。創業者をとても尊敬しています。いくつになっても、新しいことに挑戦し、いろいろ面白いコトを売ろうという姿はとてもすてきです」

店内の陳列もこだわりがみられた。将来は日本の大手ファッション企業に並ぶ企業になりたいとGary氏は語っていた(筆者撮影)

中国では消費市場を読むことが難しく、一方、日本のアパレルは新陳代謝が活発とよく言われるが、Garyは自らのマーケットインの発想で、今までなかった、そしてポテンシャルが大きい市場に着目し、開拓しようとしている。

中国の社会環境の変化やそれに伴うライフスタイルの変化により、メンズファッションだけでなく、その他の市場でも新しい可能性が出てきている。日本企業のノウハウを活用できるマーケットとして有望だと筆者は考えている。Garyの物語が少しでも日本企業にとってヒントになればと思う。

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