安倍政権を揺さぶる「毎月勤労統計」の闇

消えた給付金、脳裏によぎる「12年前の悪夢」

不適切な手法による調査が長年続けられていたことは重大な政治問題だ(写真:UPI/amanaimages)

厚生労働省が所管する毎月勤労統計の不正調査が、1月28日に召集された通常国会での与野党攻防の大きな火だねになっている。

与党内からも「言語道断」との批判が噴出、野党各党は「消えた給付金問題だ」と徹底追及の構えで、首相は28日の施政方針演説で謝罪し、徹底検証を約束するなど火消しに懸命だ。今後の展開次第では、12年前に第1次安倍政権を直撃した「消えた年金問題」と同様、統一地方選や参院選での自民敗北という悪夢もちらついている。

不適切な調査は15年間も続けられた

霞が関や永田町で「毎勤統計」と呼ばれる同調査は政府の基幹調査の一つで、その結果次第で失業手当など雇用保険や労災保険の給付水準が決まる。それだけに、不適切な手法による調査が長年続けられていたことは重大な政治問題だ。

同調査は厚労省が全都道府県を通じて実施してきたものだが、従業員500人以上の事業所に対しては全数調査が必要なのに、東京都だけは全事業所の3分の1を抽出して調査していたことが昨年末に発覚した。地方より給与水準の高い東京都の数値が3分の1しか調査結果に反映されなければ、失業手当などの給付水準を算定するための平均賃金も実際より低めの数値が出てしまう。

しかも、この調査手法は2004年から2018年まで15年間も続いていた。その間の失業手当などの過少給付の該当者は延べ約2000万人、不足額は約570億円と推計されている。

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