iPhoneで「eSIM」をまだ使ってない人は大損だ 「ギガ追加」の料金が5分の1に抑えられる

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ウェブからすぐに契約できるのも魅力だ。まず、eSIMのサイトにアクセスして、言語を中国語(繁体字)から日本語に切り替え、「今買う」のボタンをタップ。あとは画面の手順に従っていく。138香港ドルのeSIMを選択してから、電話番号(日本の番号も使えた)とメールアドレスを入力。最後に支払いに使うクレジットカード番号を入れれば、契約は完了だ。

契約が済むと、先に入力したメールアドレスにQRコードが届く。これをiPhone XS、XS Max、XRのいずれかで読み込むと、eSIMの書き込みが始まる。同時に2つのSIMカードを利用することになるため、どちらをメインにするかなどを選ぶ必要はあるが、難しい設定はほとんどない。設定が完了すると、iPhoneのアンテナマークが2段に分かれて、2つの電波をつかむようになる。

3香港でデータ通信したい場合は、「設定」アプリを開き、「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」と進んでから、3香港のeSIMを選択すればよい。もちろん、3香港でデータ通信しているときも、メインのSIMカードで電話やSMSを受けることはできる。2つの回線を同時に使えるため、電話などの重要な連絡を逃すこともないというわけだ。

3.海外でも国際ローミングより割安に通信できる

本来の用途として、海外でデータ通信する際にもeSIMは便利。キャリアが提供する国際ローミングと比べても、使い方によっては割安になる。現在、ドコモとauは24時間980円、ソフトバンクは日本時間で1日最大2980円の国際ローミングサービスを提供している。ドコモとauに関しては、以前と比べ、大幅に割安になったが、それでも10日間ほど使うと通信料金は1万円近くかかる。eSIMを使うと、これを節約することが可能だ。

先に挙げた3香港のeSIMも、日本以外ではアメリカやカナダ、イギリス、フランスなど、欧米の主要国の一部や、韓国、シンガポールといったアジアの国々にも対応している。日本で使う場合と同様、この場合も料金は10日で138香港ドル。1日ごとに支払うプランでも、15香港ドルで済んでしまうため、対応している国や地域であれば、日本のキャリアの国際ローミングを使うより割安だ。

ただし、3香港が対応しているのは、日本も含めて20の国や地域で、それ以外では利用できない。欧州を例に挙げると、日本人の渡航先として人気が高いドイツやスペインには非対応だ。このようなときは、国際ローミングに特化したeSIMを契約するといい。簡単に契約できるのがGigSkyと呼ばれるキャリア。このeSIMは、3香港の場合とは異なり、アプリから契約を行う。

GigSkyはアプリでeSIMの情報をiPhoneに書き込む。料金はやや高めだが、国際ローミングよりは安くなることも(筆者撮影)

eSIM設定用のアプリは、App Storeで「GigSky」と入力すれば、すぐに見つかる。アカウントを作ったあと、アプリで目的地を選び、プランを選択する。上記の3香港にないドイツで利用する場合、欧州をカバーしているプランを選択することになる。料金は1日プランが300MBで1200円、15日プランが500MBで1800円、1GBで2400円、2GBで3600円、30日プランが5GBで6000円と、やや高めの設定。とはいえ、10日間滞在してその間ずっと国際ローミングを使うケースと比べると、トータルでは割安になる。

欧州で料金を抑えつつデータ通信するなら、Transatelという会社の提供する「Ubigi」というeSIMもオススメできる。国別のプランなら、スペインで3GBが9ドル(約990円)ほど。現地でSIMカードを買うより高くなるが、キャリアの国際ローミングよりは割安。GigSkyとは異なり、アプリではなく、ウェブから直接QRコードを発行する形になる。出張や旅行の際に、通信費を抑えたい人にオススメだ。

石野 純也 ケータイジャーナリスト

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いしの じゅんや / Junya Ishino

大学卒業後、出版社の宝島社に入社。IT関連の雑誌、書籍を編集する部署で、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後は、ジャーナリスト/ライターとして、モバイルに関連した幅広い企業を取材。ウェブサイトや雑誌を中心に、執筆活動を行う。ネットワークから端末、コンテンツまで、モバイルに関する全レイヤーをカバーする。主な著書は『ケータイチルドレン』(ソフトバンク)、『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ)。iPhone、スマートフォン関連の解説書なども、多数手掛けている。

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