理系力・文系力育てる最強校はどこだ?

全国169高校をアンケート(学問編)

高校3年の澤岡洋光さんは今年、国際物理オリンピックで銅賞を獲得した。もともと科学好きだったが、高校の授業で一気に物理が好きになった。

「物理の理論を使って、普段何げなく見ていた日常の現象を説明できることが面白かった」

世界への扉を開いたのは、OBで現在東大大学院生の西口大貴さん。同校で初めて国際物理オリンピックに出場。これがきっかけとなって研究の道へ進み、現在非平衡物理の研究を行っている。

「物理の石橋和幸先生が勉強を見てくれました。代表に選ばれると大学で実習させてもらえるのですが、実験後に図書館で一緒に文献にあたったことも」と西口さんは言う。

同校は和歌山県みなべ町に南部学舎、長野県の黒姫高原に山荘をもち、体験学習にも力を入れる。そこで生徒は中学時代にフィールドワークを中心にした合宿をする。海岸で生物を観察したり、手作り望遠鏡で星空を観察したり。登山やスキー、句碑巡りで和歌や俳句作りも学ぶ。

「科学は机上だけでなく、身の回りの現象と密接に結びついている。自然の中で本物に触れることで、真の学力と心身を育てる」と宮本浩司教頭は語る。

工夫を凝らし理系力向上をめざす高校は多い。

みたらし団子を作る

11月の土曜日、中学を併設する私立麻布高校(東京都港区)の化学大実験室に高1の生徒たちが集まってきた。「身近な食べものを作ってみよう!」という「教養総合」の授業で、「みたらし団子」を作った。

理科の森本達矛(たつむ)教諭が、まずでんぷんの構造や性質についての説明を始める。生徒は粉をこね、「耳たぶの硬さって、どれくらい?」と確認しあいながら進めていく。食欲を満たしながら、有機化学への橋渡しをするという仕掛けだ。

「教養総合」は、近所の幼稚園で乳幼児と触れ合う体験、サッカー、篆刻……。生徒が選考委員になり討議して「高校生芥川賞」を決めるといったユニークな授業まで幅広い。毎年60あまりの講座があるが、ほとんどが受験とは無関係だ。

安藤浩一校務主任はこう話す。

「普段の授業では触れられない内容を深く学ぶことで、生徒の知的好奇心を刺激したい」

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