太らない人ほどストレスに負けていない理由 「運動」と「7時間以上の睡眠」がやはり重要だ

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実際、スコットランドで無作為に選ばれた被験者を対象にしたリサーチでは、コルチゾールの排出量はBMIや胴回りと強い相関関係にあることがわかりました。体重の多い人ほど、コルチゾールの排出量も多く、特に腹部に脂肪が蓄積して、ウエストヒップ比が高くなることも判明しました。体重増加の中でも、腹部の脂肪蓄積はとくに健康に悪く、医学的にもこの結果は非常に重要です。

では、コルチゾールが減ると、体重は減るのでしょうか? 「プレドニゾン」という、コルチゾールを人工的に合成した薬があります。気管支ぜんそくや関節リウマチなど、幅広い疾病の治療薬として用いられるのですが、術後の拒絶反応を抑えるために服用していた移植患者がプレドニゾン服用を中断したところ、血液中のインスリン濃度が25%減り、体重は6%、ウエスト周りも7.7%減少したことがわかりました。

つまり、「コルチゾールによる刺激が慢性的にあると、インスリンの分泌と肥満が増える」「ストレスホルモンが減れば、体重も体型も絞ることができる」という確かな証拠があるということです。

やはり「運動」が重要

ストレスを軽減するのは難しいのですが、減量を果たすうえでは重要なファクターです。特に、減量という視点で考察した場合、ストレスを軽減するのに「活動的になること」と「睡眠」が重要になってきます。

まずは、「活動的になる」というストレス対策から。テレビやパソコンの前で座っているだけでは、ストレスは解消されません。「動かない」という休息法は、心身共に回復を及ぼさないのです。活動的になることが、ストレスの緩和につながることは、数々の研究で証明されています。たとえば、定期的に運動すること。これは、ストレスを軽減してコルチゾールの分泌を減らすのに、大変有効です。

「闘争・逃走反応」は、もともと、体に行動する準備をさせるために起こる反応です。また、運動をすると、神経伝達物質「エンドルフィン」の分泌が促され、気分を良くする効果が得られます。運動によって消費されるカロリーはそれほど多くないので、運動することの利点としては、気分を良くすることのほうがはるかに大きいといえます。

また、カロリンスカ研究所のアンダース・ハンセン氏によると、定期的に運動を続ければ、ストレスを感じてもコルチゾールの分泌量はわずかしか上がらなくなるとのこと。フィンランドの調査では「週に2回以上運動している人は、ストレスや不安とほぼ無縁」で、ランニングやスイミングなどの有酸素運動を20分ほど、もしくは散歩に出かけるだけでもストレスを抑える効果は望めるとのことです。

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