野球「独立リーグ」は人材企業へ変貌している 開始から14年、もう一つのプロ野球経営:前編

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新潟アルビレックスBC ―年間売上高2億円の見込み、NPB参入に意欲―

独立リーグで最も経営が安定しているといわれるのが、ルートインBCリーグ、新潟アルビレックスBCだ。

新潟の池田社長。HARD OFF ECOスタジアム新潟にて(筆者撮影)

2016年に社長に就任した池田拓史氏は地元新潟県南魚沼市の出身。

リクルートを経て2006年、BCリーグの立ち上げに参画し、2年目の2008年3月、新潟アルビレックスBCに移籍した。

通常、独立リーグ球団の売上規模は1億円前後だといわれているが、新潟は2018年12月期に2億円を超える見込みだ。

地元の球場で地元の選手を応援してもらう

「増収を達成できたのですが、観客動員は厳しかったですね。今季は県内14カ所で主催試合を開催したのですが、天候不順と猛暑ということもあり、動員は伸び悩みました。しかし、そのような中で増収を達成できたのは、各球場でのきめ細かな営業活動とマーケティングの成果です。他球団に比べてスポンサー様にご提供できるメニューが多かったと思います。

皆様方のご協力のおかげで、私たちは県内各地に新潟アルビレックスBCの後援会を設けています。たとえば柏崎市の佐藤池野球場で試合をするときには、柏崎刈羽地区後援会のサポートマッチというタイトルで開催し、後援会と地元のスポンサー様を結び付けることができました。

ゲームスポンサーは3万円から受け付けています。無理なく、多数の企業様から賛同していただいて、地元の球場で地元の選手が頑張る姿を応援していただくということが、巡り巡ってこの事業の継続性につながると思っています。

そのような中で、新潟アルビレックスBCからは2018年、知野直人を横浜DeNA様にドラフト6位で指名していただきました。彼は地元新潟県三条市の出身です。うちからは渡邉雄大(2017年ソフトバンク育成6位)、高井俊(2016年巨人育成1位)と3年連続でNPBドラフト会議にて指名選手を輩出することができました。しかも渡邉は新潟県三条市出身、高井も新潟県見附市出身と、3人とも地元新潟の選手です。

サポーターの皆様が声援を送った地元の選手がNPBへと巣立っていく。この流れができてきたのは本当に大きなことです」

横浜DeNAベイスターズにドラフト6位で指名された新潟の知野直人の記者会見の様子(写真:新潟アルビレックスBC提供)

地域密着は独立リーグのビジネスモデルの基本だが、それをどこよりもきめ細かく、確実に行っていると言えよう。

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