“汚れない"キッチンに懸けるクリナップ 異例の時期に新製品発表
「ミキティ」こと、タレントの藤本美貴さんが油性ペンでキッチンの天板に書き込んだのは、夫であるお笑い芸人、庄司智春さんの名前。水を含ませただけの雑巾でその上をこすると、夫婦愛が込められた文字があっという間に消えてしまった。
これは、キッチンメーカー大手のクリナップが開いた新製品発表会での一幕。汚れにくさを売りに刷新した最高級システムキッチン「S.S.」の性能を試した場面だ。
12月16日から受注を開始する新型S.S.には、「美コート」と「特殊エンボス加工」という2つの技術が取り入れられている。美コートは、ステンレス製の天板の表面にセラミック系の特殊コーティングを施したもの。汚れの下に水が入り込んで浮かし、油汚れなどでも水拭きだけで落とすことができる。
一方、特殊エンボス加工は、天板の表面に浮き出し模様(エンボス)を付けることで、食器などと接する面を減らし、傷が付きにくくした。これに美コートが加わることで一段と耐傷性が高まり、ステンレスたわしなどでこすっても細かい傷が付きにくい仕様になっている。
開発のきっかけは「写真」
この2つの技術にクリナップが注目したきっかけは、主婦20人弱を対象に開催したモニター会議。持ってきてもらった各家庭のキッチンの写真を見ると、3分の1が天板の上に敷物を敷いていた。「汚れや傷が付いてしまうのが嫌だから」というのが理由だった。清掃性と耐摩耗性をどれだけ高められるかをテーマに開発が進められ、新型S.S.が完成した。
システムキッチンの一般的な耐用年数は25年程度とされているが、これらの性能はクリナップの実験によると、30年程度は保たれることが確認されている。販売価格は基本プランで99万4500円(税抜き)~となる。
キッチンの新製品発表会は春先に開催されるのが一般的。なぜ年末の発表となったのか。
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