「インフルエンサー」の商品PRに潜む落とし穴 フォロワー数だけしか見ないプロモは逆効果

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さらに昨今、インスタグラムではフォロワーのアカウントを買って水増しするような“似非行為”が散見されます。それを助長しているのが、フォロワーを増やしたいという承認欲求を満たすためのサービスです。

なかにはフォロワーさえ増やせれば国や言語さえ違うフォロワーを購入するような実例も多く存在しています。Googleで「Instagram フォロワー 増やす」とでも検索すれば現実を直ぐに知ることができるでしょう。安いものでは1000人増やすのに1000円程度のものもありました。

あるインスタグラマーのフォロワー数の推移。SNSで「炎上」もしていないのに増減の波が激しい。フォロワーを買っている可能性がある(筆者作成)

「フォロワー数×10円でいかがでしょうか?」。そんな提案をクライアントに持ちかける業者があるとも聞きます。こんな提案の背景には先述した似非行為で獲得した海外のフォロワーも含まれているかもしれません。

マーケティング的に無価値なフォロワーを提案すること、即ちアドフラウド(広告詐欺)にほかなりません。

企業がこのような提案に騙されないために、未然に防ぐ方法もいくつかわかってきました。以下の2点です。

・急なフォロワー増加と、直後のフォロワー減少
・日本語圏以外のフォロワー比率が高い

プランニングでまず重視する指標

結局のところ、マーケターにとってインフルエンサー・マーケティングはどうやってプランニングしていくべきなのか?ポイントは2点です。

・フォロワーの増減推移を見る
・エンゲージメント数(like,コメント数)の比較も取り入れる

「エンゲージメント以外は不要なのか?」というと、もちろん必要です。たとえば視聴者のデモグラフィック情報や趣味嗜好などの情報、投稿の視聴回数など、見るべきことは少なくありません。故にインフルエンサー・マーケティングは難しく、不用意にチャレンジすると株や先物取引と同様に失敗してしまうのです。

インフルエンサー・マーケティングはハマれば大きな広告効果を生むことができる数少ない広告手法です。一方で、誤った判断やそれを助長するマーケターも数多く存在しています。

成功の可能性を広げるためには情報を補うためのマーケティングツールの検討や、知識と実績を持つマーケティング企業の選定を検討することが重要です。その先で、インフルエンサー・マーケティングの“不確かさ”というキャズムを越えることができるはずです。

植田 和臣 BitStar 新規事業責任者 兼 IPRプロデューサー

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うえだ かずおみ

高校卒業後、海上自衛隊に入隊。インターネット業界に魅力を感じ、21歳で退隊し大学進学。ITベンチャーを経て現ユナイテッド社のメディア事業立ち上げに従事、同社最年少事業部長を務める。2017年よりBitStarに参画し、IPRなど新規事業を推進するほか複数社の事業立ち上げをサポート。

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